中国外相 仏外相と会談 “ヨーロッパの自主性を支持”

中国の秦剛外相はフランスを訪れてコロナ外相と会談し「ヨーロッパが戦略的な自主性を強化し、国際舞台で積極的な役割を果たすことを支持している」と述べ、米中対立が続く中、ヨーロッパがアメリカ一辺倒にならないようくぎをさすねらいがあるとみられます。

ヨーロッパを訪問している中国の秦剛外相は10日、ドイツに続いてフランスのパリを訪れてコロナ外相と会談しました。

中国外務省によりますと、秦外相は会談の中でヨーロッパを包括的戦略パートナーとして重視していると強調したうえで「ヨーロッパが戦略的な自主性を強化し、国際舞台で積極的な役割を果たすことを旗幟鮮明に支持している」と述べました。

中国とヨーロッパの関係をめぐっては、先月、マクロン大統領が中国を訪問した際、米中の対立から一定の距離を保つべきだと発言し、欧米各国で波紋が広がりました。

中国としては、来週行われるG7広島サミットを前に、ヨーロッパの自主性を支持する考えを示すことで、アメリカ一辺倒にならないようくぎをさすねらいがあるとみられます。

一方、両外相はウクライナ情勢をめぐっても意見を交わし、フランス外務省によりますとコロナ外相は「中国はロシアを説得するうえで重要な役割を担っている」という考えを示しました。

これに対し秦外相は、政治的な解決に向けて建設的な役割を果たすとする立場を示すにとどめました。