ASEAN 海軍の代表者ら 公海上のガイドライン設定に合意

ASEAN=東南アジア諸国連合の海軍の代表者らが10日に集まり、公海上での艦船の衝突を避ける距離などを定めたガイドラインの設定に合意しました。中国とのあいだで進める南シナ海における別のルールづくりの交渉を有利に進めるねらいがあるものとみられます。

ASEAN首脳会議が10日にインドネシアで開幕したのにあわせて、フィリピンの首都マニラでは、加盟国の海軍の代表者らが集まって会議が開かれました。

この中で、ASEAN10か国の海軍は、公海上での不測の事態を避けるための初めてとなるガイドラインの設定に合意したことを発表しました。

ガイドラインは、
▽艦船どうしの衝突を避けるための距離や
▽連絡方法
▽緊急時の支援の求め方などを、規定したということです。

提案をまとめたフィリピンなどは、中国とのあいだで南シナ海の領有権を争っているほか、ほかの国も、中国の海洋進出に影響を受けています。

ASEAN諸国は、南シナ海での紛争を防ぐために中国との間で長年、「行動規範」と呼ばれるルールの策定を協議していますが、中国の影響力が強いといわれています。

ASEAN諸国としては、今回のガイドラインを先にまとめることで、中国と進める「行動規範」の交渉を有利に進めるねらいがあるものとみられます。