防衛費財源確保へ 委員長職権であす衆院財務金融委員会開会

防衛費増額の財源を確保するため「防衛力強化資金」の創設を盛り込んだ法案を審議している衆議院財務金融委員会は、9日夕方の理事会で、自民党の塚田委員長が10日に委員会を開くことを職権で決めました。与党側は10日の採決を目指す方針です。

防衛費増額の財源を確保するため「防衛力強化資金」の創設を盛り込んだ法案は、今の国会での重要法案の1つで、先月6日に衆議院本会議で審議入りし、財務金融委員会で審議が続いています。

9日朝の理事会で、与党側は、10日の委員会で野党側の質疑を行ったうえで採決したいと提案しましたが、野党側は「防衛費増額は、東日本大震災の復興財源に関わる話であり、被災地での地方公聴会も必要だ」として、まだ採決には応じられないと主張しました。

そして、9日夕方に再開された理事会で、与党側は、野党側の主張を踏まえ、今の国会の会期中に被災地に委員を派遣する機会を設けることを提案したうえで、10日に採決したいと重ねて求めました。

これに対し、日本維新の会は応じる意向を示しましたが、立憲民主党は応じられないとして折りあわず、自民党の塚田委員長が10日に委員会を開くことを職権で決めました。

与党側は10日の採決を目指す方針です。

自民 越智氏「あす質疑終局の動議が可決されれば採決想定」

与党側の筆頭理事を務める自民党の越智隆雄氏は、記者団に対し「安全保障委員会との連合審査や参考人質疑など野党側の要求に応え、審議時間も十分に尽くした。採決について、一部の野党に最終的に了解いただけなかったことは大変残念だ」と述べました。

そのうえで「あすの委員会では、与党側から質疑終局の動議を出し、可決されれば採決が想定される」と指摘しました。

立民 末松氏「職権で委員会を開くことは遺憾で残念」

野党側の筆頭理事を務める立憲民主党の末松義規氏は、記者団に対し「委員長の職権であすの委員会を開くことは遺憾で残念だ。採決のあとに被災地に行っても被災者が結論だけを強要され、被災地をバカにしたような印象を与える」と述べました。

また、記者団から、委員長の解任決議案の提出を検討するか問われたのに対し「党の国会対策委員会が最終的に決めることだ」と述べました。