将棋「叡王戦」藤井六冠が勝利 防衛に王手

将棋の八大タイトルの1つ「叡王戦」の第3局が名古屋市で行われ、タイトルを持つ藤井聡太六冠が勝ち、防衛に王手をかけました。

「叡王戦」の五番勝負は、タイトルを持つ藤井六冠に菅井竜也八段(31)が挑んでいて6日、名古屋市の料亭で第3局が行われました。

ここまでの勝敗は1勝1敗で、午前9時に始まった対局は後手の菅井八段が序盤に飛車を横に移動させる得意の「振り飛車」を見せ、その後は第2局に続いて、互いに「穴熊」戦法で守りを固める展開となりました。

終盤、両者とも持ち時間を使い切って、1手を60秒未満で指す「1分将棋」となり、何度も攻守が入れ代わる熱戦の末、午後7時前、163手までで藤井六冠が菅井八段を投了に追い込みました。

藤井六冠はこれで2勝1敗として「叡王」のタイトル防衛に王手をかけました。

藤井六冠は現在「叡王戦」と並行して「名人戦」にも挑戦者として出場し2連勝していて、この2つのタイトル戦を制すれば羽生善治九段(52)以来となる「七冠」を最年少で達成します。

「叡王戦」第4局は、今月28日に岩手県宮古市で行われます。

藤井六冠「かなり判断の難しい将棋だった」

タイトル防衛に王手をかけた藤井六冠は「かなり判断の難しい将棋で、中盤の構想の立て方があまりよくなかったのが課題と感じました。ここまでの3局の内容を踏まえて第4局は精いっぱい指したいです」と話していました。

菅井八段「もう少し修正して次は頑張りたい」

一方、敗れた菅井八段は「とても難しい中盤戦で、終盤戦、1分将棋に入ってから悪い手が続いたと思います。もう少し修正して次は頑張りたいです」と話していました。