ワグネル代表 プリゴジン氏「5月10日バフムトから離脱」と表明

ウクライナ東部の激戦地バフムトでロシアの正規軍とともに戦闘に加わっている民間軍事会社ワグネルの代表、プリゴジン氏は5日、SNSで動画と声明を発表しました。

このなかでプリゴジン氏は「去年3月16日、特別軍事作戦が計画どおりに進まなくなり、われわれは支援要請を受けた。3月19日、われわれの部隊はアフリカから到着しすぐに戦闘に参加した。10月には、正規軍にひと息つかせ、敵をこちらに引き寄せるため、命をかけたバフムトの作戦を開始した」と述べ、ワグネルが戦闘に参加した経緯やバフムトでの作戦について言及しました。

そして、バフムトで戦果をあげたものの4月から極端な弾薬不足に陥っていると訴え「われわれは5月9日までにバフムトを掌握するつもりだったが、軍の官僚は、これを阻止しようと事実上、一切の供給を止めている」と国防省が故意に弾薬の供給を止めていると非難しています。

その上でプーチン大統領とショイグ国防相、それにゲラシモフ参謀総長に対して「弾薬がない中で不当に損失が出ることは受け入れられない。われわれは5月10日にバフムトから離脱する」と表明しました。

一方、プリゴジン氏は「ロシア国民にとっての聖なる祝日を辱めないよう弾薬が尽きてもとどまる」とも述べました。

プリゴジン氏としては、最前線からの離脱を警告することで、弾薬の供給に向けて国防省などへの圧力を強める一方で、ロシアで第2次世界大戦の戦勝記念日にあたる9日までは戦い続けると強調し、政権側や国民にみずからの立場をアピールするねらいもあるとみられます。