クレムリン無人機 ロシア “米指示しウクライナが攻撃”と主張

ロシア大統領府はウクライナが無人機でプーチン大統領を狙って攻撃しようとしたと主張し、捜査を続けています。さらに大統領府は「アメリカの指示に従ったものだ」として攻撃にはアメリカも関与したとして批判を強めています。

ロシア大統領府は3日、2機の無人機がモスクワのクレムリンにある大統領府を攻撃しようとしたと発表し、プーチン大統領を狙ったテロ行為だと主張して、捜査を続けています。

大統領府のペスコフ報道官は4日、ウクライナのゼレンスキー政権によるものだと主張した上で「アメリカの指示に従ってウクライナが攻撃の手段と標的を選んでいることを、われわれは知っている」と述べ、アメリカも関与したとして、批判を強めています。

これに対し、ゼレンスキー大統領は関与を否定しています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は3日「モスクワなどで防空能力が強化される中、無人機が防空システムをかいくぐり、クレムリンの上空で爆発や撃墜された可能性は極めて低い」としてロシア側が侵攻を続けるため、新たな国民の動員に向けて自作自演を行った可能性もあるという見方を示しました。

また、ロシアの有力紙「コメルサント」は「ウクライナから発射された無人機がクレムリンまで到達できるか疑問だ」と伝え、ほかのロシアメディアも発射地点はロシア国内ではないかとする専門家の見方を報じています。

一方、ウクライナの南部ヘルソン州の当局は、ロシア軍が3日に激しい攻撃を行い、23人が死亡し、46人がけがをしたと明らかにしました。

また、ウクライナ軍は4日、首都キーウなどに対してロシア軍が無人機で攻撃を行い、24機のうち18機を撃墜したと発表しました。

ロシア大統領府はプーチン大統領を無人機で狙ったことへの報復措置をとると主張していて、ロシア軍によるさらなる攻撃が懸念されています。