大谷翔平 5勝目ならずも自己最多に並ぶ13奪三振 打はヒット3本

大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手がカーディナルス戦に先発ピッチャー兼3番・指名打者で出場しラーズ・ヌートバー選手を3三振に抑えるなど大リーグで自己最多に並ぶ13個の三振を奪いましたが5勝目はなりませんでした。一方、打ってはタイムリーを含むヒット3本で打率が再び3割を超えました。

大谷選手は3日、相手の本拠地セントルイスで行われたカーディナルス戦に中5日で先発登板し、1回、WBC日本代表のチームメートでカーディナルスの1番・ライトで先発出場したヌートバー選手との注目の初対戦はスライダーで空振りの三振に取りました。
このあとも最速161.2キロの速球やキレのある変化球で三振を重ね、ヌートバー選手は3打席連続三振に抑え込むなど対戦した打者全員から三振を奪いましたが、1回に先制のソロホームランを打たれ4回にもツーランホームランなどで3点を失って、5回4失点でマウンドを降りました。

球数は97球、打たれたヒットは5本、フォアボールとデッドボールが合わせて2つで防御率は2.54に下がりました。

一方で、15のアウトのうち実に13を三振で取り、今シーズンの奪三振数を「59」として両リーグを通じて現時点でトップとなりました。
バッターでは1回にかつてプロ野球の巨人でプレーした相手先発のマイコラス投手からライト前にヒットを打って連続試合ヒットを「6」に伸ばしました。

3回の第2打席は1アウト一塁三塁の場面で再びマイコラス投手からライト前に一時勝ち越しとなるタイムリーヒットを打ち、5回の第3打席はショートフライ、7回の第4打席はセカンドゴロでした。

9回、代打ラム選手とトラウト選手の2本のソロホームランで5対4と逆転した直後の第5打席はセンターにツーベースヒットを打ち続くレンドーン選手のタイムリーで6点目のホームを踏みました。

大谷選手は5打数3安打1打点で打率は3割7厘まで上がりました。

エンジェルスは6対4で競り勝って3連勝とし大谷選手に勝ち負けはつかず4勝0敗のままです。

ヌートバー選手は4打数ノーヒットでした。

100HRと500奪三振はベーブ・ルース以来2人目

この試合、大谷選手は三振13個を奪って大リーグ通算で500奪三振としました。

大谷選手はこれまでに134本のホームランを打っていて、エンジェルスによりますと大リーグで通算ホームラン100本と500奪三振を達成したのは「野球の神様」と言われるベーブ・ルース以来、2人目だということです。

古い大リーグの記録をめぐっては数字が諸説あることがあり、ベーブ・ルースの通算奪三振についても大リーグの公式サイトや大手記録会社のサイト「ベースボール・リファレンス」では通算488となっていますが、別の大手記録会社のサイト「エライアス」では「501」となっていて、エンジェルスによりますと1914年から1933年までにルースが投げたそれぞれの試合の奪三振数を合計すると501になるということです。

一方、大谷選手は先発登板した試合で前回まで10試合続けて打たれたヒットが3本以下で、おととし、メッツでデグローム投手がマークした1901年以降の大リーグ最長記録に並んでいましたが、この日、5本のヒットを打たれて新記録はなりませんでした。

大谷「環境やマウンドの違い 球の変化のばらつきがあった」

大谷選手は試合後「6回、7回をどうしても投げたかったが、5回までしか投げられなかったので奪三振よりもそこの方が悔しさが残る」と話しました。

その上で「きょうは環境やマウンドの違いもあって、球の変化のばらつきがあった。打たれたのが全部長打になってしまったので打球を上げさせてしまったところがいちばんの反省点だと思う」と話し、反省のことばを多く口にしました。

3打席3三振に抑えたヌートバー選手との対戦について聞かれると「ヌートバーの打席に関しては狙ったところに思いどおりに投球できていた。1番を打っているので、特に回の先頭は塁に出したくないという意味で大事なバッターかなと思う」と答えていました。

ヌートバー「世界最高の選手 また対戦するのを楽しみに」

ヌートバー選手は、大谷選手との対戦について「勝負は彼の勝ち。きょうの彼はとても良かった。彼はすごくいいボールを持っていて、おそらく世界最高の選手。今夜はそれを示したと思う」と話し、完敗を認めました。

その上で「第1ラウンドは彼の勝ちだが、対戦はきょうだけじゃない。来シーズン、彼がどこのチームでプレーしているかはわからないが、また対戦するのを楽しみにしている」と再戦を心待ちにしていました。

カーディナルスは9回に逆転されて敗れて5連敗となり、ここまで10勝21敗と大きく負け越しています。

この試合では球場に4万2000人余りが詰めかけましたが、なかなか勝てないチームに対して本拠地のファンからはブーイングが浴びせられました。

ヌートバー選手は「これまでもこうした試練は経験してきた。きょうの試合は厳しい負けだったが、僕たちは乗り越えられると思う。こうした状況の中でもポジティブな要素を見つけることが、不振から脱却する助けになると思う」と前を向いていました。