秋篠宮ご夫妻 きょうからイギリス公式訪問 国王戴冠式に参列へ

秋篠宮ご夫妻は、チャールズ国王の戴冠式(たいかんしき)に参列するため、4日から4日間の日程でイギリスを公式訪問されます。

秋篠宮ご夫妻は4日午前、東京の羽田空港から政府専用機でイギリスに向けて出発し、現地時間の4日午後、ロンドンに到着される予定です。

5日午後には、バッキンガム宮殿で行われるチャールズ国王主催のレセプションに出席されます。

そして、6日午前、ウェストミンスター寺院で国王の戴冠式が行われます。

宮内庁によりますと、戴冠式には、イギリス王室から天皇陛下に招待があり、今回、秋篠宮さまは天皇陛下に代わって紀子さまとともに参列されるということです。

ご夫妻がイギリスを公式訪問するのは今回が初めてで、日本時間の7日午後、帰国される予定です。

皇室とイギリス王室の歴史

皇室とイギリスの王室は古くから親密な関係にあります。
戦後のイギリス王室との交流のはじまりは、昭和28年、ロンドンで行われたエリザベス女王の戴冠式に皇太子だった上皇さまが昭和天皇の名代として参列された時にさかのぼります。
上皇さまにとって初めての外国訪問で、当時のイギリス国内では第2次世界大戦を戦った日本に対する厳しい国民感情が残っていましたが、女王は一緒に競馬を観戦するなど上皇さまを温かく迎えました。
昭和46年には、昭和天皇が、香淳皇后とともにイギリスを訪問します。滞在中に開かれた女王主催の晩さん会で、エリザベス女王は先の戦争について触れ「両国民間の関係が常に平和であり友好的であったとは申すことができません。しかし、この経験ゆえに、わたくしどもは二度と同じことが起きてはならないと決意を固くするものであります」などと述べました。
その4年後の昭和50年、エリザベス女王は、夫のフィリップ殿下とともに初めて日本を訪れ、京都や、三重県の伊勢神宮なども訪れて、多くの人から歓迎を受けました。
この訪問中、上皇ご夫妻は、女王を、赤坂御用地にあるお住まいの東宮御所に招かれ、天皇陛下や秋篠宮さまも一緒に庭を散策されました。
翌昭和51年には、上皇ご夫妻がイギリスを訪問し、エリザベス女王とともにウィンザー城などで乗馬を楽しまれました。上皇ご夫妻とイギリス王室との交流は続き、平成24年、エリザベス女王の即位60年を祝う行事に出席した際には、上皇さまは、昼食会で女王の隣の席を用意され、1時間余りにわたって親しく歓談されました。
天皇陛下は、昭和58年から2年間、イギリスのオックスフォード大学に留学されました。その後も女王の次男のアンドリュー王子の結婚式に参列するなどイギリス訪問を重ねられました。

即位後の令和元年、エリザベス女王の長女のアン王女が来日した際には、王女夫妻をお住まいに招いて懇談されました。

また、天皇陛下の即位の礼には、当時皇太子だったチャールズ国王が出席しています。
去年9月のエリザベス女王の国葬には、天皇陛下が皇后さまとともに参列されるなど交流が続いています。

秋篠宮さま イギリスとの関係は

秋篠宮さまは、イギリスを公式訪問するのは今回が初めてですが、昭和63年から2年間、イギリスのオックスフォード大学大学院動物学科に留学し、東南アジアの淡水魚類の研究をされました。

宮内庁によりますと、留学中、大英自然史博物館で、研究に必要な標本が多数保存されていることに驚くとともに、喜びを感じられたということです。

また、絶滅危惧種を含む多様な家きん類を集めて飼育する施設では、数多くの家きん類を写真に収め、資料として収集され、その後の長年にわたる魚類や家きん類の研究につながっているということです。

このほか、平成26年には、紀子さまとともにイギリスのキュー王立植物園を視察し、その2年後に植物園が催した日本の植物画を集めた展示会の図録に序文を寄せるなど研究を通じてイギリスとの関係を深められています。