ロシア ウクライナと国境接する地域で火災や事故相次ぐ

ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナが近く反転攻勢に乗り出す構えを見せる中、ロシアでは、一方的に併合したクリミアに近い石油施設で火災が起きるなど、ウクライナと国境を接する地域で火災や事故が相次いでいます。

ウクライナでは2日、南部ヘルソン州でロシア軍による砲撃を受け、地元当局は市民3人が死亡し、5人がけがをしたと明らかにし、イエルマク大統領府長官は「テロ攻撃だ」と批判しました。

一方、ウクライナと国境を接するロシア西部のブリャンスク州の知事は2日、SNSに「鉄道の駅の近くで正体不明の爆発装置が爆発した。貨物列車の機関車など数両が脱線した」と投稿しました。

ブリャンスク州では、前日の1日にも貨物列車の脱線が起き、州知事は爆発装置が爆発したと発表しています。

さらにブリャンスク州では、3日も一部のロシアのメディアがロシア軍の飛行場が5機の無人機から攻撃を受け、航空機が損傷したなどと伝えています。

また、ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミアの「クリミア大橋」に近いロシアの南部クラスノダール地方で3日朝、地元の州知事がSNSに「石油を貯蔵する施設で火災が起きた」と投稿しました。

ロシアの国営通信社は火災が起きた施設は、貯蔵容量が2万トンに上り、当局の話として「無人機が落下したあと火災が起きた」などと伝えています。

クリミアをめぐっては、先月29日も軍港都市セバストポリで黒海艦隊に供給されるとみられる燃料の貯蔵施設で大規模な火災が起き、ウクライナ側は「大規模な攻撃に向けた準備だ」と関与を示唆しています。

こうした中、ロシアの治安機関FSB=連邦保安庁は3日、クリミアで、ロシア側の要人の暗殺やインフラ施設へのテロ攻撃を計画していたとしてウクライナ側の複数の工作員を逮捕したと発表しました。

犯行は、ウクライナ国防省の情報機関、情報総局のブダノフ局長が主導したとしていて、ウクライナが近く反転攻勢に乗り出す構えを見せる中、警戒を強めているものとみられます。