市川房枝さん 晩年の記録見つかる “地元で過ごす映像は初”

生涯をかけて女性の地位向上に取り組んだ市川房枝さんの晩年の様子を記録した映像が、出身の愛知県一宮市で見つかり、一宮市は「地元で過ごす映像が見つかったのは初めてで非常に貴重な資料だ」としています。

市川房枝さんは130年前の明治26年、現在の愛知県一宮市に生まれ、女性に参政権がない時代に婦人参政権運動に取り組み、戦後は参議院議員を務めるなど生涯をかけて女性の地位向上に力を尽くしました。

一宮市内の民家から見つかったのは、市川さんが亡くなる2年前の昭和54年に撮影された映像で、この家に住む男性が自宅を整理した際に出てきたということです。

1時間ほどの映像には、市川さんや地域の人らが地元の公民館の設立について話し合っている様子が記録されていて、当時85歳の市川さんがしっかりとした口調で「公民館の運営委員に女性を入れてほしい」などと意見を述べる姿も映っています。

市によりますと、市川さんが地元で過ごす様子を記録した映像が見つかったのは今回が初めてだということで、一宮市尾西歴史民俗資料館の宮川充史学芸員は「これまで地元から房枝さんの映像が出てくるということがなかったので、非常に貴重な資料だ。今後、映像をしっかりと検証していきたい」と話しています。