柔道 全日本選手権 王子谷剛志が4回目の優勝

体重無差別で日本一を決める柔道の全日本選手権が行われ、30歳の王子谷剛志選手が4回目の優勝を果たしました。

体重無差別で柔道男子の日本一を決める全日本選手権は29日、東京 千代田区の日本武道館で開催され、各地区の予選を勝ち抜いた選手たちがトーナメント方式で争いました。

このうち、全日本選手権で3回の優勝を誇る30歳の王子谷選手は、初戦の2回戦から抑え込みや投げ技を交えて着実に勝ち上がると、決勝では高校、大学の先輩で同じ所属先でもある32歳の羽賀龍之介選手と対戦しました。

試合は、きっ抗した状態が続き、お互いに指導を2つ受けて延長戦までもつれました。

王子谷選手は、前に圧力をかけて先に攻める姿勢を貫き背負い投げや内股など、さまざまな技を仕掛けると、延長に入っておよそ5分、羽賀選手に3つ目の指導が出て反則負けとなり、王子谷選手が6年ぶり4回目の日本一となりました。

王子谷選手は「正直、僕は終わった選手だと思っていたが、いろいろな人に支えられて、もう1回ここに立てたことを本当に感謝している。勝ち切れたことは幸せだった。羽賀選手は憧れで、尊敬して戦っていたので感謝しかない」と涙ぐみながら話していました。

敗れた羽賀選手は「悔しい気持ちが一番だが、後輩とこういう舞台で戦えるのはうれしい。彼の苦労を知っているので、たたえたい」と話していました。

また、リオデジャネイロオリンピック男子100キロを超えるクラスの銀メダリストで、東京大会にも出場した原沢久喜選手は4回戦で、ふだんは男子90キロ級の田嶋剛希選手に敗れました。

去年優勝した男子100キロを超えるクラスの斉藤立選手と、準優勝の影浦心選手は、5月に世界選手権が控えていることから出場しませんでした。