スーダン 軍は停戦延長認める考え示すも 準軍事組織は反発

アフリカのスーダンで続く軍と、対立する準軍事組織の武力衝突は双方が合意した停戦期間の期限が近づく中、軍は周辺国の提案に応じる形で停戦の延長を認める考えを示しましたが、準軍事組織は反発していて混乱が収拾する見通しはたっていません。

スーダンでは今月15日以降、軍と、準軍事組織のRSF=即応支援部隊との間で武力衝突が起き、スーダンの保健省によりますとこれまでに512人が死亡したということです。

双方は現地時間の25日午前0時から、新たな72時間の停戦で合意したと発表しましたが、その後も銃撃戦などが続き、互いに相手側が停戦合意に違反していると非難の応酬を続けてきました。

停戦期間の期限が近づく中、軍は26日、ケニアなど周辺国の提案に応じる形で隣国の南スーダンに特使を派遣し、RSF側と交渉を行うことや、停戦期間をさらに72時間延長するなどとした案を承認したと発表しました。

一方のRSF側は27日、声明を発表し「軍側が空爆や砲撃によってRSFの基地に攻撃を加えている」などと反発していて、停戦の延長に応じる構えを見せておらず、混乱が収拾する見通しはたっていません。

中国外務省報道官“1300人以上を安全に退避”

中国外務省の毛寧報道官は27日の記者会見で「現在までに1300人以上の中国人を安全に退避させ、一部はすでに中国軍の艦艇に乗ってスーダンをあとにし、一部はスーダンから離れようとしているところだ」と述べました。

その上で「首都ハルツーム以外にもまだ少数の中国人がおり、われわれは彼らを助けることに最大限の努力を続ける」と強調しました。

また、中国海軍はSNSの公式アカウントに、アフリカ・ソマリア沖で海賊対策にあたっていたミサイル駆逐艦と補給艦の2隻が現地時間の26日にスーダンに派遣され、現地にいる中国人などを乗船させる映像を公開しました。

インド外務省 “自国民600人以上を退避”

インド外務省は27日、スーダンからこれまでに自国民600人以上を退避させたことを明らかにしました。

ロイター通信が配信した映像では、インドの首都ニューデリーの空港に26日、スーダンから退避してきたインド国民が次々と到着する様子が確認できます。

スーダンから退避してきたという男性は「スーダンでは空港のすぐ近くにいましたが、状況はひどくなりました。死ぬのではないかと考え、家族のことばかり考えていました」と話していました。

今もスーダンに滞在しているインド国民がいるということで、インド外務省は引き続き、退避の手段を検討しているということです。

また、スーダンにあるインド大使館などによりますと、スーダンで15日、インド国籍の男性1人が死亡したということです。

戦闘が行われた地域で流れ弾に当たったとみられるとしています。

仏外務省と国防省 “フランス人5人含む398人を退避”

フランス外務省と国防省は27日、フランス海軍のフリゲート艦を使った退避作戦で、スーダンの紅海沿岸のポートスーダンからサウジアラビア西部のジッダに、5人のフランス人を含む、合わせて398人を退避させたと発表しました。

この退避作戦では、アメリカ人、イギリス人、カナダ人、エチオピア人など、50か国以上の国の人たちを退避させたとしています。

また、これまでにフランスが行ったスーダンからの退避作戦では、フランス人とその家族、合わせて214人を含む936人を退避させたと明らかにしました。