“ロシア軍 支配地域の防衛態勢整えられず” 米シンクタンク

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始して24日で1年2か月になります。ロシア軍は、ウクライナ側の反転攻勢を警戒しながらも、プーチン大統領が東部での攻撃作戦に固執しているため、支配地域の防衛態勢を整えられずにいる可能性が高いという見方が出ています。

プーチン大統領は、およそ1年前から占領し続けるドネツク州の要衝マリウポリのほか、南部ヘルソン州でロシアが掌握する街などを先月以降相次いで訪れ、支配を誇示するねらいがあるとみられます。

また、ロシア国防省は23日、東部ドネツク州の激戦地バフムトの西側で新たに2つの地区を掌握したと主張し、徹底して攻撃を続けていく構えです。

こうした状況についてアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は22日、「ロシアの軍幹部は、ウクライナによる反転攻勢の脅威を認識しているようだが、プーチン大統領が固執する東部での無意味な攻撃作戦に兵士を投入し続けているとみられる」と指摘しました。

そのうえで、ロシア軍は精鋭部隊を消耗戦に費やし、支配地域の防衛態勢を整えられずにいる可能性が高いと分析しています。
一方、ウクライナ南部では22日、ロシア側が占拠するザポリージャ州の主要都市メリトポリの鉄道施設で爆発が起きたと伝えられました。

また「戦争研究所」は、ロシア側の情報をもとにヘルソン州でロシアが支配するドニプロ川の東岸の一角に、ウクライナ軍が陣地を築いた可能性があると指摘し、今後の反転攻勢の足がかりとなるのか注目されます。