スーダン 邦人を陸路で移動後 自衛隊機で退避の計画など検討

アフリカのスーダンにいる日本人の退避に備えて派遣された航空自衛隊の輸送機3機が、周辺国ジブチに到着しました。

関係者によりますと、在留邦人を首都ハルツームから別の都市へ陸路で移動させ、そこから自衛隊の輸送機で退避させる計画などが検討されているということです。

スーダンの情勢が悪化する中、浜田防衛大臣は今月20日、自衛隊に対し、在留邦人の国外退避に向けて、活動拠点がある周辺国ジブチに自衛隊機を派遣し待機するよう命令しました。

これを受けて航空自衛隊のC130輸送機と、C2輸送機、KC767空中給油・輸送機の合わせて3機が22日までに日本を離陸しました。

3機は経由地で給油などを行いながら飛行し、防衛省によりますと日本時間の23日未明にかけてジブチに到着したということです。

このうち午前0時40分ごろには、C2輸送機とみられる機体が自衛隊の活動拠点があるジブチの国際空港に着陸したのをNHKの取材班が確認しました。

関係者によりますと、在留邦人を首都・ハルツームから別の都市へ陸路で移動させ、そこから自衛隊の輸送機で退避させる計画などが検討されているということです。

一方でスーダンでは、退避を進めていたフランスの外交団の車列が攻撃を受けたとの情報もあり、自衛隊は引き続き、情報収集を行って慎重に検討を進めています。

ジブチ アメリカなど各国の軍が拠点

東アフリカのジブチはアメリカなど各国の軍が拠点を置いていて、22日、国際空港では軍用機とみられる機体がいくつも確認できました。

空港の周囲は厳重な警備がしかれていて自衛隊の活動拠点がある区域も高い塀で囲まれ、外から内部の様子をうかがうことはできません。

自衛隊の輸送機は、スーダンからの国外退避に備えることになっています。

現地の日本人 「自衛隊機 心強くうれしい」

2006年からスーダンで医療や教育などの支援に取り組み首都ハルツームに住むNPO法人「ロシナンテス」の川原尚行 理事長がNHKのオンラインインタビューに応じました。

インタビューは、航空自衛隊の輸送機1機がジブチに到着したあとの日本時間23日午前1時ごろに行い、川原さんは「自衛隊機がアフリカ大陸に来ただけで本当に心強くうれしく思う」と話していました。

その一方で「24日は停戦明けということで攻撃が激化するおそれもあり、動けるのは23日の1日なのではないかと思う。23日も停戦が履行され、自衛隊機が飛んでくることを期待したい」と述べ、一刻も早く自衛隊の輸送機による退避が実現することへの期待を示していました。

また首都ハルツームの状況については「きのうよりもきょうのほうが静かだったが、窓からすごい音がして外を見ると、爆撃機が飛んでいた。完全な停戦には至っていないと思う」とも話していました。