ロシア最高検「好ましからざる団体」に千島歯舞諸島居住者連盟

ロシアの最高検察庁は、北方領土の元島民などでつくる千島歯舞諸島居住者連盟を「好ましからざる団体」に指定したと発表しました。ロシアはウクライナへの軍事侵攻に対する日本政府の制裁措置に反発していて、日本側への圧力を強める一環とみられます。

ロシアの最高検察庁は21日、公式サイトで北方領土の元島民などでつくる千島歯舞諸島居住者連盟について「ロシアの憲法秩序と安全保障の基盤を脅かしている」などと非難しました。

そして「活動の目的は、ロシアの領土の一部を奪取することだ」と主張し、「好ましからざる団体」に指定したと発表しました。

ロシアの国営通信社は「好ましからざる団体」に指定されると、「ロシア国内に団体の支部を置くことや資金の移動ができなくなるほか、関係者の入国が制限される」などと伝えていて、団体は、ロシア国内での活動が事実上禁止されるとしています。

ロシアは、ウクライナへの軍事侵攻に対する日本政府の制裁措置に反発して、北方領土問題を含む平和条約交渉を中断すると一方的に表明したほか、元島民らによる「ビザなし交流」や「自由訪問」についても日本との合意を破棄したと発表していて、今回の措置も日本側への圧力を強める一環とみられます。

連盟「指定は一方的」

これについて千島歯舞諸島居住者連盟の脇紀美夫理事長は、22日、「今回の報道について事実関係を確認しているものではないが、仮に事実だとすればロシア最高検察庁の指定はきわめて一方的な対応であり、私どもとしては断じて受け入れることはできないものだ」とするコメントを出しました。

そして「北方墓参をはじめ自由訪問など四島交流等事業の早期再開について、道や関係機関と連携して、引き続き日本政府に強く求めていく」としています。