ウクライナ 欧米が新たに戦車供与表明 ロシア外相は友好国歴訪

ロシアがウクライナへの侵攻を続ける中、欧米側は新たに戦車の供与を表明したほか、軍事支援をめぐる会合を開くなどウクライナを支援する姿勢を続けています。
一方、ロシアはラブロフ外相が中南米の友好国への歴訪を続けていて対立するアメリカなどをけん制しています。

デンマークとオランダの国防省は20日、ウクライナに対し、ドイツ製の主力戦車「レオパルト2」合わせて14両を供与すると発表しました。

実際に戦車がウクライナに送られるのは来年になる見通しだということで、デンマーク国防省は「ウクライナの戦線に大きな変化をもたらすだろう」としています。

ヨーロッパ各国は保有する「レオパルト2」の供与を相次いで表明していて、ドイツやポーランド、ポルトガル、ノルウェーからの「レオパルト2」はすでに引き渡されています。

ウクライナにはNATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長が20日、軍事侵攻後初めて訪問し、21日はドイツ西部にあるアメリカ軍の基地で欧米各国の代表が軍事支援について話し合う予定です。

これに対しロシア側は東部ドネツク州のバフムトの掌握をねらい、攻撃を強める一方、ウクライナ側の反転攻勢に備え、南部の支配地域を維持することに重点を置いているとみられます。

また、ロシアのラブロフ外相は17日から中南米のブラジル、ベネズエラ、ニカラグアを歴訪し、20日はキューバでディアスカネル大統領やロドリゲス外相と会談し、アメリカなどが制裁を科す中、経済面の協力などを確認したということです。

会談後の記者会見でラブロフ外相は「ウクライナの特別軍事作戦に対し、キューバの友人は現状にいたった理由を完全に理解しており大いに感謝している。NATOがロシアの国境まで無謀に拡大したということだ」と述べ、友好国キューバとの結束を示しアメリカなどをけん制しました。