【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(18日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる18日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア ラブロフ外相 ブラジルのルーラ大統領らと会談

ロシアのラブロフ外相は中南米各国を歴訪し、17日、最初の訪問国ブラジルでビエイラ外相やルーラ大統領と会談しました。

ルーラ大統領がロシアによるウクライナ侵攻の停戦に向けた仲介に意欲を示していることを巡り、ラブロフ外相は「ブラジルの友人たちは現在の状況の原因を正しく理解し、解決に貢献したいと願っていて感謝する」と述べ、ブラジルが欧米とは一線を画した立場を示していると謝意を示しました。

一方、欧米側がロシアへの制裁を強化する中、ビエイラ外相は会見で「一方的な制裁は、特に途上国にとって悪影響となる」と述べました。

G7=主要7か国の外相会合がウクライナへの支援継続を確認し、ロシアに対してすべての軍を即時かつ無条件で撤退させるよう求めていくことで一致する中、ロシアとしては友好関係にある国々との関係を強化し、対抗したい思惑があるとみられます。

G7外相会合閉幕 “ロシア軍の即時撤退を求める” 共同声明発表

長野県軽井沢町で開かれていたG7=主要7か国の外相会合は、閉幕し、ロシア軍のウクライナからの即時撤退を求めることや、中国の力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対することなどを盛り込んだ共同声明を発表しました。

G7外相会合は最終日の18日午前、アフリカと核軍縮・不拡散をテーマにしたセッションをそれぞれ行って閉幕し、3日間の議論の成果を盛り込んだ共同声明を発表しました。

共同声明では、ウクライナへの侵攻を続けるロシアを最も強いことばで改めて非難し、すべての軍を即時かつ無条件で撤退するよう求めています。

そのうえで、ウクライナへの支援を継続する一方、第三国に対してロシアへの武器の供給などを止めるよう要請するとしています。

さらに、ロシアが、国際的な支持を得るために、偽の情報を使用していると強く非難し、良質で信頼できる情報へのアクセスがカギになるとして、国連などの取り組みを支援するとしています。

林外相「共同声明出したことを大変うれしく思う」

議長を務めた林外務大臣は記者会見で、「G7外相と、率直かつ踏み込んだ議論ができ、会合の成果として共同声明を出したことを大変うれしく思う。広島サミットに向けて外相間の連携を確認した。ことしのサミットが広島で開催されることを念頭に核軍縮・不拡散についても詳細に議論を行った」と述べました。

そのうえで、「G7として初めて、日本が重視する法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序への関与や世界のどこであっても、一方的な現状変更の試みに強く反対するということを文書の形で確認することができた。国際社会の喫緊の課題に対処すべく広島サミットに向けて連携したい」と述べました。

プーチン大統領がウクライナ南部と東部を訪問

ロシアの国営通信社は18日、プーチン大統領が去年、一方的に併合したウクライナ南部のヘルソン州と東部ルハンシク州を訪問したと伝えました。現地で軍の拠点を訪れ、幹部から報告を受けたとしています。国営通信社によりますと、プーチン大統領がヘルソン州やルハンシク州を訪問するのは、ウクライナへの軍事侵攻後、初めてだということです。

欧米からの軍事支援を受けるウクライナ側が、ロシアに占領された地域の奪還を目指すなかで、プーチン大統領としては、兵士たちを激励し侵攻を続ける姿勢を示すとともにロシア側が掌握する地域の支配を誇示するねらいもあるとみられます。

プーチン大統領は、3月にも一方的に併合した南部クリミアと東部ドネツク州の要衝マリウポリを訪問しウクライナ政府は強く反発しています。

G7外相会合 ウクライナ情勢や中国への対応で共同声明を調整

長野県軽井沢町で開かれているG7=主要7か国の外相会合は、18日が最終日で、日本としてはウクライナ情勢や中国への対応をめぐり共同声明で強いメッセージを打ち出し、G7の結束をアピールしたい考えです。

G7外相会合は2日目の17日、結束してロシアへの制裁とウクライナ支援を継続していくことを確認しました。

その上で、中国や中東の国々を念頭に、ロシアが「第三国」を介して制裁を回避し、武器提供を受けることを防ぐため連携して対処することで一致しました。

また「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国や途上国への支援については、エネルギーの安定供給や食料安全保障をめぐる対応で緊密に連携することで一致しました。

さらに「グローバル・サウス」の代表格とされ、ことしG20=主要20か国の議長国を務めるインドとの協力をさらに強化することも確認しました。

林外務大臣は記者団に対し「G7の外相間で胸襟を開いて議論を行うことができて、手応えを感じている」と述べました。

最終日の18日は、核軍縮・不拡散などを議論したあと、共同声明を発表する方向で調整が進められています。

日本としては、ロシア軍のウクライナからの即時撤退を求めることや、中国の力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対することなどを盛り込んだ強いメッセージを打ち出し、G7の結束をアピールしたい考えです。

ロシアで逮捕された米紙記者 米大使が初面会

アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の記者でアメリカ国籍のエバン・ゲルシュコビッチ氏は3月30日、ロシア国内でスパイ活動を行っていたとして当局に逮捕されました。

ゲルシュコビッチ氏は、その後、起訴されましたが、ロシアの国営メディアによりますと「ジャーナリストの活動をしていただけだ」として、全面的に否認しているということです。

ゲルシュコビッチ氏について、モスクワに駐在するアメリカのトレーシー大使は17日、ツイッターで「不当に拘束されて以来、初めて面会が許可された。体調は良好で、しっかりした様子だった」と明らかにした上で、改めて即時釈放を求めました。

アメリカ政府は、これまでもバイデン大統領がロシア側に釈放を求めたほか、ブリンケン国務長官もロシアのラブロフ外相との電話会談で「容認できない」と伝えていますが、ロシア側は釈放に応じず、裁判が行われる見通しを示しています。

ウクライナの農産物 隣国ポーランドなどが輸入禁止に

ウクライナと国境を接する国々では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で、アフリカなどへ海上で輸送できなくなったウクライナ産の農産物が、ヨーロッパの別の港を使うための経由地として陸路で運び込まれています。

しかし、貨物列車やトラックといった輸送能力などに限界があり、ウクライナ産の農産物がそれぞれの国内で流通した結果、価格の安さから自国の農家が打撃を受ける事態となっていて、抗議活動も起きています。

このうち、ポーランドとハンガリーは今月15日、自国の農家を守るためだとして、ウクライナ産の農産物の輸入を6月30日まで禁止すると発表し、スロバキアも17日、輸入禁止を明らかにしました。

これについて、ウクライナの農業食料省は、隣国の農家の苦境に理解を示す一方、ウクライナの農家の状況はより厳しく解決策を模索したいとして、輸入禁止の見直しを求めています。

また、ウクライナからの農産物の輸出を支援してきたEU=ヨーロッパ連合は17日、ポーランドなどの措置は受け入れられないとして、対応を協議する考えを示しました。

ロシアの軍事侵攻が長期化し、ウクライナ産の農産物の海上輸送が滞る中、隣国の輸入禁止による影響が懸念されています。

スロバキア国防相「13機のミグ29 ウクライナ空軍に引き渡し」

スロバキアのナジ国防相は17日「13機のミグ29が無事にウクライナ空軍に引き渡された。われわれはウクライナとともに立つ」とSNSに投稿し、予定していた旧ソビエト製のミグ29戦闘機13機すべての供与を終えたと明らかにしました。

スロバキアは、同じくウクライナの隣国ポーランドとともにミグ29の供与を進め先月23日、ナジ国防相は4機を引き渡したことを明らかにしていました。