ミュージカル「オペラ座の怪人」NYで最終公演 35年の歴史に幕

アメリカのニューヨーク・ブロードウェイで1988年から公演が始まり、最長記録を更新し続けてきたミュージカル「オペラ座の怪人」が16日、最終公演を迎え、35年の歴史に幕を下ろしました。

「オペラ座の怪人」はフランスの小説をもとにしたミュージカルで、19世紀のパリ・オペラ座を舞台に、オペラ座の地下に潜む、顔の傷を仮面で隠した男がソプラノ歌手に寄せる愛を描いた物語です。

ニューヨークのブロードウェイでは1988年1月から公演が始まり、数あるブロードウェイのミュージカルの中で最長記録を更新し続けてきました。

ただ新型コロナウイルスの感染拡大でおよそ1年半にわたって休演したあと、劇場を再開したものの思うように集客数が伸びなかったことなどから終演が決まり、16日の公演を最後に35年余りにわたる歴史に幕を下ろしました。

最後の公演では、テーマ曲に合わせて舞台上の巨大なシャンデリアが劇場の天井まで上っていく注目の場面で、観客からひときわ大きな拍手と歓声が沸き起こりました。

そして公演のあとのカーテンコールでは、1988年の初演でヒロイン役を演じたイギリスのソプラノ歌手、サラ・ブライトマンさんなど歴代の出演者も登場し、全員で熱唱しました。

観客は総立ちで何度も大きな拍手を送り、中には涙ぐむ人の姿も見られました。

劇場によりますと35年間で公演回数は1万3981回に上り、累計で2000万人余りが来場したということです。

最後の舞台をみた16歳の男性は「舞台に立つ人たちも観客の熱量もすごかったです。まだ終わるなんて信じられませんが、このミュージカルは必ず帰ってくると思います」と話していました。

ブロードウェイ 連続上演回数

ブロードウェイの劇場などで作る団体によりますと、4月9日時点でブロードウェイのミュージカルで連続上演回数が多いのは以下の演目です。

▽1位:「オペラ座の怪人」1988年から2023年まで35年間上演1万3973回(4月16日の最終公演で1万3981回)

▽2位:「シカゴ」1996年から上演中1万329回
▽3位:「ライオンキング」1997年から上演中9944回
▽4位:「ウィキッド」2003年から上演中7485回
▽4位:「キャッツ」1982年から2000年まで18年間上演7485回
▽6位:「レ・ミゼラブル」1987年から2003年まで16年間上演6680回
▽7位:「コーラスライン」1975年から1990年まで15年間上演6137回
▽8位:「オー!カルカッタ!」1976年から1989年まで13年間上演5959回
▽9位:「マンマ・ミーア!」2001年から2015年まで14年間上演5758回
▽10位:「美女と野獣」1994年から2007年まで13年間上演5462回