ウクライナ 復活祭も南部で砲撃 東部でも激戦続く厳しい状況か

ロシアが侵攻するウクライナでは、キリストの復活を祝う復活祭にあたる16日も各地では戦闘が行われ、東部の激戦地バフムトでは、ウクライナ側は厳しい状況が続いているとみられます。

ウクライナでは、キリストの復活を祝う復活祭にあたる16日も各地で戦闘が続き、地元の当局者などによりますと南部ミコライウ州で、ロシア軍の砲撃で10代の若者2人が死亡したほか、前日の15日には南部ザポリージャ州で地元の教会が破壊されたとしています。

ウクライナ軍の参謀本部は16日、東部ドネツク州の拠点バフムトと、州都ドネツクの南西にあるマリインカが激戦地となっていると指摘しました。

一方、ロシア国防省は15日、バフムトについて、民間軍事会社ワグネルの部隊が街の南と北にある2か所の区域を奪ったとした上で、市内のウクライナ軍が退却していると主張するなど、ウクライナ側は厳しい状況が続いているとみられます。

こうした中、ワグネルの代表プリゴジン氏は14日、SNS上にウクライナの侵攻に関する長文の論文を投稿しました。

論文でプリゴジン氏は、バフムトを掌握する重要性を強調するとともに、「理想的なのは、特別軍事作戦の終了を発表し、ロシアの成果が得られたことを人々に知らせることだ」などと主張しました。

そして、ウクライナ軍が大規模な反転攻勢を行えば、ロシア側のリスクになるとしていて、侵攻から1年たった2023年2月24日時点でロシア側が占領した領土を維持したうえで停戦することなどを提案しています。

これについてアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は15日に発表した分析で、「プリゴジン氏はウクライナ侵略の終結を提案したわけではない。ウクライナを倒すか、または、ロシア国内の愛国主義の勢力を再生してから、将来的にロシアが勝利できるように求めたものだ」と分析しています。

プーチン大統領 ロシア正教会の大聖堂で夜の礼拝に参列

ロシアのプーチン大統領は、キリストの復活を祝う16日の復活祭にあわせて首都モスクワの中心部にあるロシア正教会の大聖堂で、側近のひとりであるモスクワのソビャーニン市長や多くの市民とともに夜の礼拝に参列しました。

プーチン大統領は火をともした赤いろうそくを手にし、ロシア正教会を率いるキリル総主教にあわせて祈りをささげていました。プーチン大統領はウクライナへの侵攻を続ける中、去年もこの時期に、復活祭の礼拝に参列しています。

ロシア正教会のキリル総主教はプーチン政権の軍事侵攻についてロシア正教の信者の世界を守るためのものだとして支持する立場を鮮明にしています。