統一地方選挙 市区長選 市区議選 告示 後半戦スタート

統一地方選挙は16日、政令指定都市以外の市と東京の特別区で、市区長と議員の選挙が告示され、後半戦がスタートしました。市区長選挙では、およそ26%の市と区で無投票となりました。

4年に1度の統一地方選挙は、16日、政令指定都市以外の市と東京の特別区で、99の市区長選挙と315の市と区の議員選挙が告示されました。

立候補の受け付けは午後5時で締め切られ、NHKのまとめでは、99の市区長選挙にあわせて206人が立候補しました。

内訳を見ますと、現職が76人、元市長が3人、新人が127人です。女性は40人で候補者全体のおよそ19%と、前回・4年前より5ポイント上がり、これまでで最も高くなりました。

県庁所在地では、水戸、津、高松、長崎、大分の5つの市長選挙が告示され、このうち長崎市長選挙では、4期務めた現職の市長が引退を表明し、新人4人による選挙戦となりました。

また、東京の特別区では、北区の区長選挙で5期20年務めた現職と3人の新人が立候補を届け出ました。
一方、全国99の市区長選挙のうち、県庁所在地の大分や東京・中央区を含め、およそ26%にあたる26の市と区では無投票で当選者が決まりました。

統一地方選挙の後半戦では、人口減少が進む中、子ども・子育て政策や地域経済の活性化など、暮らしに身近なテーマをめぐって活発な論戦が交わされるものとみられます。

市区長選挙や市と区の議員選挙は、先に告示された衆参5つの補欠選挙や、あさって告示される町村長と町村議員の選挙とともに、今月23日に投票が行われます。

長崎市長選 16年ぶりに新人のみの選挙戦

このうち長崎市長選挙は、4期務めた現職の田上市長が引退を表明し、16年ぶりに新人のみによる選挙戦となります。

立候補したのは、届け出順に、いずれも無所属の新人で
▽自民党と公明党が推薦し、国民民主党が支持する元九州運輸局長の鈴木史朗氏(55)
▽飲食店経営の原拓也氏(54)
▽元市議会議員の吉富博久氏(78)
▽元県議会議員の赤木幸仁氏(38)の4人です。

長崎市は「転出超過」が全国の市町村で2番目に多く、人口の流出が深刻な課題となっていて、選挙戦では具体的な対策などをめぐって論戦が展開される見通しです。
鈴木史朗氏は、「長崎はいまピンチとチャンスが同時に来ている。最大の危機、人口減少に立ち向かい、克服できるのは誰なのか。それができるのは私しかいない。新しい長崎を実現していくために1人1人の力を貸してほしい」と訴えました。
原拓也氏は、「高齢者が安心して暮らせるまちを実現することこそが、長崎の発展へつながることだと確信している。今まで手が届かなかった長崎の周辺地域や見過ごされてきたところに、手を差し伸べる市政を実現したい」と訴えました。
吉富博久氏は、「私の政策の一丁目一番地は、子ども子育て支援。保育料はすべて無料にする。副食費も無償化する。長崎市に生まれてよかった、育ってよかったと思えるそんな長崎を市民の皆さんとともに作り上げていきたい」と訴えました。
赤木幸仁氏は、「いまの長崎は人口が減って箱物ばかり増えて産業も衰退していく。大きな組織や政党に頼るような選挙ではなく、原点に立ち返って市民1人1人が推薦状だと、その心で戦わなければ長崎は変えられない」と訴えました。

東京 北区長選 4人が立候補

東京・北区の区長選挙は、現職と新人の合わせて4人が立候補しました。

立候補したのは、届け出順にいずれも無所属で、
▽新人で、共産党と社民党が推薦する子ども食堂運営団体の理事、橋本弥寿子氏(70)
▽6期目を目指す現職の花川與惣太氏(88)
▽新人で、自民党、日本維新の会、公明党が推薦する元東京都議会議員の山田加奈子氏(51)
▽新人で、元北区議会議員の駒崎美紀氏(44)の4人です。

現職の5期20年の区政運営が評価されるのか、区政の刷新を訴える新人候補に支持が集まり、北区で初の女性区長が誕生するのか注目されます。
橋本弥寿子氏は、「コロナ禍による経済の疲弊や困窮、格差の増大、そういうものは一人ひとりのせいではなく、政治の責任でなんとかするべき事だ。一緒にこの北区を、変えていっていきたい」と訴えました。
花川與惣太氏は、「『子育てするなら北区が一番』という評価をより確かなものにするため、北区で安心して産み育てられる環境の充実をはかっていく。力強く健康そのもので頑張っていく」と訴えました。
山田加奈子氏は、「社会の情勢にあった区民サービスをつくり、スピード感がもっともっとあっても良い。東京都や国と連携して前に進め、課題を解決していくための意思と覚悟を区長が示していく」と訴えました。
駒崎美紀氏は、「私が政党の支援を受けていないのは、一人ひとりの声を聞く、区民のための政治をしたいからだ。現役世代や若い方、障害のある方も高齢の方も一緒に、本当に新しい北区にしていきたい」と訴えました。

大分市長選 元参議院議員の足立信也氏が無投票で当選

大分市長選挙は、無所属の新人で自民党市連と立憲民主党、国民民主党が推薦する元参議院議員の足立信也氏のほかに立候補の届け出はなく、足立氏が無投票で初めての当選を決めました。

足立氏は大分市出身の65歳。平成16年から参議院議員を3期務め、国民民主党の参議院幹事長などを歴任しました。

大分市長選挙が無投票となったのは、昭和26年以来、72年ぶりです。
足立氏は、「人口減少社会をどうしていくか。妊娠、出産から保育、学童、小学校、中学校、高校、そして高等教育、すべての年代に大分市ができる支援がある。次の世代へ誇りある大分市を作っていきたい。ワンチーム大分で頑張っていこう」と述べました。