ウクライナから避難の子ども 15%に“心に大きな負担”

ロシアによる軍事侵攻の影響で日本に避難しているウクライナの子どもたちを対象にアンケート調査が行われ、15%の子どもの心に大きな負担がかかっていることが分かりました。

調査は、東京慈恵会医科大学と日本財団が実施し、15日、都内で開かれた、ウクライナの子どもたちのケアについて考える小児科学会のシンポジウムで発表されました。

「一つのことに集中できない」や「ほかの子どもとけんかをする」など17の質問に対し、程度に応じて3段階で回答するようになっています。

調査に応じた3歳から18歳までの53人の回答を分析したところ15%の子どもに不安などの気持ちや、不注意や落ち着きがないといった傾向がみられ、心に大きな負担がかかっている状態だということです。

訴えが多かったのは「気が散りやすい」や「悲しい、幸せでないと思う」といった質問項目で、年齢別では12歳以下の男の子に負担がかかっている傾向が認められたとしています。

ウクライナから日本に避難した18歳未満の子どもの人数は出入国在留管理庁によりますと今月12日時点で444人となっています。

シンポジウムの座長を務めた東京慈恵会医科大学小児科の大石公彦主任教授は「今回の調査やシンポジウムが、心に負担を抱えた子どもたちにどのようなことができるかさらに考えるきっかけになればと思う」と話していました。