“ネット上の書き込みで精神的苦痛” 投稿者2人に賠償求める

前橋市に住む体に重度のまひがある男性が、インターネット上の掲示板に「殺処分でいいやん」などと書き込まれ、精神的な苦痛を受けたとして投稿者2人に対し、合わせて390万円余りの損害賠償を求める訴えを起こしました。

訴状などによりますと、病気のため体に重度のまひがある兵藤一晶さん(47)は去年4月、必要な量の介護サービスなどを求めて前橋市を提訴しましたが、その後インターネット上の掲示板に「殺処分でいいやん」とか「生かしておく理由が無い」などと書き込まれたということです。

男性はこれによって名誉を傷つけられ、精神的な苦痛を受けたなどとして、東京都と愛知県の投稿者2人に合わせて390万円余りを支払うよう求める訴えを前橋地方裁判所に起こしました。

代理人の弁護士によりますと去年、投稿者の情報開示を求める別の裁判を起こし、東京地方裁判所が「限度を超えた違法な侮辱行為であることは明らかだ」などとして、プロバイダーに開示を命じたことから2人の特定に至り今回、提訴したということです。

代理人の下山順弁護士は「攻撃的、差別的な言動であり障害者の命を軽んじている。障害者が普通に権利を使っても批判されないような環境になってほしい」と話していました。