新型コロナ新規感染 1週間平均 前週比1.10倍 3週連続増加傾向

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国では前の週の1.10倍となり、3週連続で増加傾向となっています。

NHKは、厚生労働省が発表した感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について、前の週と比較してまとめました。

全国

▽3月30日までの1週間で、ことし1月中旬以来およそ2か月半ぶりに前の週の1.12倍と増加に転じたのち、
▽4月6日は1.03倍
▽4月13日まででは1.10倍と3週連続で増加傾向が続いています。

一日当たりの全国の平均の新規感染者数は、先週より700人余り多いおよそ8000人で、32の都道府県で前の週より多くなっていて、
増加の幅が大きい地域は
▽山梨県で1.44倍
▽茨城県で1.43倍
▽沖縄県で1.38倍
▽石川県で1.29倍などとなっています。

人口当たりの感染者数 最多は山梨県

人口当たりの感染者数が最も多いのは山梨県で、人口10万人当たり90.50人となっています。

新規感染者数を1週間平均で比較すると、
▽3月30日までの1週間は前の週の1.20倍
▽4月6日は1.12倍
▽4月13日まででは1.44倍で
一日当たりの新規感染者数はおよそ105人となっています。

関東の1都3県

【東京都】
▽3月30日までの1週間は前の週の1.35倍
▽4月6日は1.17倍
▽4月13日まででは1.16倍と
一日当たりの新規感染者数はおよそ1116人となっています。

【神奈川県】
▽3月30日までの1週間は前の週の1.22倍
▽4月6日は1.17倍
▽4月13日まででは1.18倍で
一日当たりの新規感染者数は573人となっています。

【埼玉県】
▽3月30日までの1週間は前の週の1.02倍
▽4月6日は1.07倍
▽4月13日まででは1.20倍で
一日当たりの新規感染者数はおよそ394人となっています。

【千葉県】
▽3月30日までの1週間は前の週の1.20倍
▽4月6日は1.07倍
▽4月13日まででは1.20倍で
一日当たりの新規感染者数はおよそ383人となっています。

関西の3府県

【大阪府】
▽3月30日までの1週間は前の週の1.14倍
▽4月6日は1.09倍
▽4月13日まででは1.19倍で
一日当たりの新規感染者数はおよそ539人となっています。

【京都府】
▽3月30日までの1週間は前の週の1.16倍
▽4月6日は1.13倍
▽4月13日まででは1.26倍で
一日当たりの新規感染者数は177人となっています。

【兵庫県】
▽3月30日までの1週間は前の週の1.24倍
▽4月6日は1.05倍
▽4月13日まででは1.02倍で
一日当たりの新規感染者数は265人となっています。

東海の3県

【愛知県】
▽3月30日までの1週間は前の週の1.04倍
▽4月6日は1.08倍
▽4月13日まででは1.03倍で
一日当たりの新規感染者数はおよそ398人となっています。

【岐阜県】
▽3月30日までの1週間は前の週の0.96倍
▽4月6日は1.10倍
▽4月13日まででは0.96倍で
一日当たりの新規感染者数はおよそ142人となっています。

【三重県】
▽3月30日までの1週間は前の週の1.04倍
▽4月6日は0.93倍
▽4月13日まででは0.94倍で
一日当たりの新規感染者数はおよそ92人となっています。

その他の地域

【北海道】
▽3月30日までの1週間は前の週の1.25倍
▽4月6日は1.29倍
▽4月13日まででは1.05倍で
一日当たり新規感染者数は480人となっています。

【宮城県】
▽3月30日までの1週間は前の週の1.05倍
▽4月6日は0.90倍
▽4月13日まででは1.02倍で
一日当たりの新規感染者数はおよそ145人となっています。

【広島県】
▽3月30日までの1週間は前の週の1.39倍
▽4月6日は0.82倍
▽4月13日まででは1.06倍で
一日当たりの新規感染者数はおよそ264人となっています。

【福岡県】
▽3月30日までの1週間は前の週の1.02倍
▽4月6日は1.08倍
▽4月13日ででは1.05倍で
一日当たりの新規感染者数はおよそ260人となっています。

【沖縄県】
▽3月30日までの1週間は前の週の1.03倍
▽4月6日は1.04倍
▽4月13日まででは1.38倍で
一日当たりの新規感染者数はおよそ103人となっています。

東邦大 舘田教授「はっきりとした増加傾向が見えてきている」

新型コロナウイルス対策にあたる政府分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「全国的には下げ止まりから増加に転じつつあり、東京都では前の週より多くなる日が3週間近く連続するなど、はっきりとした増加傾向が見えてきている」と評価しました。

一方で「直近の東京都のデータでは、オミクロン株の1つで、感染力が高く免疫から逃れやすいとされる、『XBB』系統のウイルスに感染した人の割合が5割を超えるなど、置き換わりが進んでいるが、今のところ、感染者の爆発的な増加にはつながっていない。ただ、大型連休を迎えて人の動きが増え、行動制限も緩和される中で、感染者の数は来月中旬にかけて増加し続けるとみられ、その数が前の週の1.5倍や2倍に近づかないか、推移を注意して見る必要がある」と指摘しました。

そして「感染者の数はまだ少ないが、ウイルスは私たちの周りに潜んでいる。多くの人は感染しても軽症で済むが、高齢者や持病、免疫不全がある人たちは重症化するリスクが高いことは変わらず、そうした人と接する場合はマスク着用を徹底するとともに、基本的な感染対策を継続し、感染を広げないように配慮してほしい」話しています。

また、政府が新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行したあとの療養期間の目安について、発症後5日間は外出を控えることが推奨されるという考え方を示したことについて、「療養期間を短くすることで感染が広がるリスクは高まるが、ゼロリスクを求めず、社会機能を元に戻すための動きとして理解している。ただ、5日間で社会復帰できるようになったとしても、まだ体にウイルスが残り、排出している可能性があることも考えて、マスクの着用や重症化リスクの高い人たちと会うことを控えるなどの配慮が重要になる」と話していました。