ウクライナ首相 アメリカに戦闘機や長距離ミサイル供与を要望

ロシアによる軍事侵攻を受けるウクライナの首相は、アメリカのオースティン国防長官と会談し、戦闘機やより射程が長い長距離ミサイルの供与を求めました。一方、ロシアは、ウクライナ南部の支配地域で大規模な防衛線を築くなど反転攻勢への警戒を強めているとみられます。

ロシアによる軍事侵攻を受けるウクライナが大規模な反転攻勢に乗り出す構えを示す中、アメリカを訪れているウクライナのシュミハリ首相は12日、オースティン国防長官と国防総省で会談しました。

この中でシュミハリ首相は「われわれはこの戦争に勝つが、より早く、より少ない犠牲でそれを達成するため依然として強力な支援を必要としている」と述べ、アメリカが供与に応じていないF15戦闘機やF16戦闘機、それにより射程が長い長距離ミサイルの供与を求めました。

これに先立ってシュミハリ首相は、アメリカの政治専門誌「ザ・ヒル」の11日付けの電子版に掲載されたインタビューで「反撃は夏までに開始される可能性がある」と述べた上で「反撃に出るには100%以上の準備をする必要がある」と強調し、反転攻勢に向けた支援の強化を求めました。

一方、イギリス国防省は12日の分析で、ロシア軍がウクライナ南部ザポリージャ州で大規模な防衛線を築いていると指摘しました。

およそ120キロにわたって3重になる防衛地帯ができているとした上で「ロシアはウクライナ軍が州内の主要都市メリトポリへの反撃に出ると確信し、防衛に注力しているのだろう」と分析しています。

ウクライナ軍の参謀本部も4月8日、ロシアが南部で大規模なざんごうを築くなど防衛線を強化し、地元の住民を他の地域に移動させる準備を進めていると指摘していて、ロシア側は反転攻勢への警戒を強めているとみられます。