黄砂 北~西日本の広い範囲に飛来 13日東京都心でも観測

大陸からの黄砂が、北日本から西日本にかけての広い範囲に飛来し、13日は東京の都心でも観測されています。黄砂で見通しが悪くなっている地域もあり、引き続き注意が必要です。

気象庁によりますと、12日から、大陸からの黄砂が国内の広い範囲に飛来し、北日本から西日本にかけての広い範囲で観測されています。

13日は、12日に観測されなかった東京の都心でも黄砂が観測されていて、物が肉眼ではっきり見える範囲の「視程」は午前10時現在、10キロ以上となっています。東京の都心で黄砂が観測されたのはおととし5月以来です。

また、札幌市や埼玉県熊谷市、高松市などで「視程」が10キロ未満となり、見通しが悪くなっている地域もあります。

このあとも北日本から西日本の広い範囲で「視程」が10キロ未満となり、ところによって5キロ未満になるおそれがあります。

各地の黄砂は、次第に薄まっていくものの14日にかけて影響が続く見込みです。屋外で洗濯物に黄砂が付着するなどの影響が出るほか、「視程」が5キロ未満になると交通への影響が発生するおそれもあり、気象庁が引き続き注意を呼びかけています。

東京 八王子 ”黄砂気になるのでコインランドリー利用”

東京 八王子市でも車に細かい砂のようなものが付着しているほか、洗濯物を外に干せないためコインランドリーを利用する人がいました。

このうち、市役所を訪れた男性の車は、黒い車体の全体に細かい砂のようなものがうっすらと付着していました。男性は「3日前に洗車したばかりでした。きょうはこのまま過ごしあすまた洗車します。しかたのないことですが困ります」と話していました。このほか、70代の女性は「近頃はマスクを外して過ごしていましたが、黄砂の体への影響が気になるのできょうはマスクを着けて過ごします」と話していました。
また、市内のコインランドリーには、黄砂の影響で洗濯物を外に干せないため利用しに来たという人が訪れていました。60代の女性は「きょうは天気もよいので外に干せたらよかったのですが、黄砂が気になるのでコインランドリーを利用しました。当面は外に干さないかもしれません」と話していました。

埼玉 マスク二重にして対策する人 洗車コーナーには列

さいたま市内では、黄砂に備えてマスクを二重につけて外で作業する人もいて、健康への影響を心配する声が聞かれました。

外で清掃をしていた70代の男性は、「体への影響も心配なので、少し息苦しいですがマスクを二重にするなどして対策しています」と話していました。また、子どもを連れた30代の女性はなるべく外出を控えるようにしているということで「外に布団や洗濯物が干せないでいます。また、子どもが小さくマスクも着けられないので体調への影響が少し心配です」と話していました。
一方、戸田市のカー用品店の洗車場では、車に付着した黄砂を洗い落とそうと、午前中から洗車機や高圧洗浄機のコーナーに順番を待つ車の列ができていました。利用した50代男性は、「きのうの雨で車のガラスに黄砂の汚れがこびりついて運転がしづらく感じました。きょうも飛ぶみたいなので諦めて来週にでもまた洗車します」と話していました。

熊谷地方気象台によりますと、熊谷市内では午前中に黄砂が確認され、物が肉眼ではっきり見える範囲の「視程」は午前10時の時点で15キロとなっています。

県内は、13日広い範囲で黄砂が予想され、ところによっては「視程」が5キロ未満となる見込みで、気象台は交通にも影響が出るおそれがあるとして注意を呼びかけています。

茨城 ひたちなか 店先の干物 ラップに包んで対策

茨城県内でも13日黄砂の飛来が確認され、ひたちなか市の市場では黄砂の付着を防ぐためふだんは店先に干して販売している干物の魚をラップに包んで販売しています。

ひたちなか市にある海産物を販売している「那珂湊おさかな市場」では、黄砂の飛来に備えて対策を取る店が出ています。このうち、干物を中心に販売する店ではふだんは魚を店先に干して販売していますが、12日からは魚をラップに包み、黄砂が魚に付着しないようにしていました。また、店の中に黄砂が入らないよう、2か所ある入り口のうち1か所はシャッターを閉めていました。埼玉県から訪れた買い物客は「気になるのでラップがかかっていれば安心です」と話していました。

店では、これまでにも春の風が強い日などは砂が入らないようにラップをするなどの対策を行ってきましたが、黄砂のために対策をとるのはここ数年はなかったということです。

対策を行った干物販売会社「カクダイ水産」の佐藤正弘店長は「品質管理をきちんとしないと客の信用に関わるので、健康面を考えて対策をしていきたいです」と話しています。

黄砂に花粉症 ”もう勘弁してくれ”

12日から、北日本から西日本にかけて広い範囲で観測されている黄砂。これに加えて今はヒノキの花粉が飛ぶ時期です。

SNSでは、花粉症の症状がさらにひどくなっていると訴える声もあります。

「もう勘弁してくれ。花粉と黄砂で、目と鼻が大爆発」「花粉症はもう終わりかけていたんですが きのうからまた一段と目がかゆい」「いい天気なのに、黄砂なのか花粉なのか、きのうから目がかゆくてのどがイガイガです」