フィンランド NATO正式加盟 31か国体制に ロシア“対抗措置”

北欧のフィンランドが4日、NATO=北大西洋条約機構に正式に加盟し、世界最大の軍事同盟は31か国体制となりました。NATO拡大に反対してきたロシアは対抗措置をとるとしています。

フィンランドは4日、ベルギーにあるNATO本部で最終的な手続きを行い、NATOに正式に加盟しました。

NATO敷地内ではフィンランドの国旗が新たに掲げられ、新規加盟を祝いました。

フィンランドはロシアによるウクライナ侵攻を受けてこれまでの軍事的中立の方針を転換し、NATOの31番目の加盟国になりました。
NATOのストルテンベルグ事務総長は式典でロシアがNATO拡大に反対してきたことを念頭に「NATOのドアは開かれており、誰も力や威圧で閉じることはできない」と強調しました。

これに対し、ロシアの大統領府のペスコフ報道官は4日「NATO拡大は、状況を悪化させ、われわれの安全を損ない、ロシアの国益を脅かすものとなる。戦術的、戦略的な観点からわれわれは安全を確保するための対抗措置を講じるだろう」と述べました。

また、ロシアは同盟関係にある隣国ベラルーシに戦術核兵器を配備すると表明していて、ショイグ国防相は4日、核弾頭が搭載できる短距離弾道ミサイルを扱うベラルーシ軍の部隊に対し、ロシア国内で訓練を行っていると明らかにしました。

プーチン大統領は5日には首都モスクワでベラルーシのルカシェンコ大統領と会談する予定で、戦術核兵器の配備に向けても意見を交わすものとみられ、欧米側へのけん制を一段と強めています。

フィンランド ニーニスト大統領「新しい時代が始まる」

フィンランドのニーニスト大統領は式典で「我々の歴史で軍事的中立の時代は終わり、新しい時代が始まる。NATOへの加盟は、フィンランドの国際的な地位を高め戦略の幅を広げるものだ。同盟国としてフィンランドはNATOの集団防衛と抑止力に貢献することになる」と述べました。

一方で、同じく加盟を申請したスウェーデンについて「フィンランドの加盟はスウェーデンなしには完了しない。スウェーデンの早期加盟に向けて、今後も粘り強い努力を続ける」と述べスウェーデンの加盟を承認していないトルコとハンガリーに対し働きかけていく考えを示しました。