林外相 李強首相と会談 “企業が安心して活動できる環境を”

中国を訪れている林外務大臣は最高指導部の1人、李強首相と会談し、大手製薬会社の男性が中国国内で拘束されたことも踏まえ、日本人や日本企業が安心して活動できるような環境を整えることが重要だと指摘しました。

林外務大臣は、日本時間の午後5時ごろからおよそ40分間、中国共産党の序列2位で習近平国家主席の最側近とも言われる李強首相と会談しました。

李強首相は林外務大臣を迎えて握手を交わし「昨夜、到着したと聞いています。お疲れさまです。今回の訪中は本当に意義深いものだと思います」と述べました。

冒頭、林大臣は「日中関係には多くの課題や懸案があるが、両国の首脳の共通認識である『建設的で安定的な関係』の構築に向けてあらゆるレベルで緊密に意思疎通をしていきたい」と述べました。

これに対し李首相は「中国と日本は引っ越しのできない隣国どうしであり、ともにアジアの重要な国だ。両国の関係を良好に保つことは両国とその国民の利益に合致するだけでなく、世界の平和と繁栄にとっても有意義なことだ」と応じました。

その上で「中国語には遠い親戚より近い友人ということばがあるが、私たちはお互いが関心を持っている問題について議論し、意思疎通と協力を強化していきたいと考えている」と述べ、日中関係の改善に前向きな姿勢を示しました。

また、林大臣は大手製薬会社の男性など日本人の中国国内での拘束も踏まえ、経済分野の協力や国民の交流を両国の政府が後押しするためには、日本人や日本企業が中国で安心して活動できるような環境を整えることが重要だと指摘しました。

そして、両氏は首脳間を含めたあらゆるレベルで緊密に意思疎通を続けていくことが重要だという認識で一致しました。

中国 国営メディア 日本けん制

中国の国営メディアは、李首相が「歴史や台湾など重要な問題は両国関係の政治的基盤に関わるもので、誠意と信頼をもって適切に対処すべきだ」と述べたと伝え、日本をけん制しました。

また、李首相は「中国と日本は重要な経済・貿易パートナーとして、より高いレベルの相互利益とウィンウィンの関係を実現すべきだ」と述べたとしています。