ロシア 新たな外交政策の基本指針 欧米への対抗勢力構築目指す

ロシアのプーチン政権は、新たな外交政策の基本指針のなかで、欧米との対決姿勢を鮮明にし、中国やインドなどとの連携強化を打ち出しています。

外交面で、欧米に対抗する勢力の構築を目指し、働きかけを強めていくものとみられています。

ロシア国防省は1日、軍への弾薬供給に関する会合を開いたと発表し、ショイグ国防相が「製造能力を強化し、通常の弾薬とともに、精密誘導兵器を増やしていく」と述べました。

ショイグ国防相は、先月28日には兵器工場を視察し、欧米諸国がウクライナへの軍事支援を加速させるなか、国内の軍需産業に兵器の増産を促しています。

一方、ロシア政府は外交政策の基本指針を2016年以来、7年ぶりに改定して先月31日に発表し、この中で「アメリカなど西側諸国は、ロシアがウクライナにおける重要な国益を守るためにとった措置に対して、新たなハイブリッド戦争を開始した」などと欧米との対決姿勢を鮮明にしました。

また「ロシアは国連安全保障理事会の常任理事国であり、2大核保有国の1つだ」と強調した上で、中国やインドなどとの連携強化を重視し、多極化した国際秩序の構築を目指すとうたっています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、先月31日「新たな基本指針はロシアが潜在的な反欧米連合を築こうとするものだ」と分析し、先月行われた中国の習近平国家主席との首脳会談の機会でもプーチン大統領からこうした働きかけがあったと指摘しました。

そしてロシアは今月、国連安全保障理事会で議長国を務めることから、新たな外交方針をその前に示し、国連でも働きかけを強めたいねらいがあると分析しています。

一方、「戦争研究所」は「ウクライナ侵攻でロシアの経済力や軍事力は低下している。各国には、ロシアの提案に同意する理由がほとんどない」という見方を示しています。