実際に、試合は、6試合すべてで先発してきた大黒柱の林謙吾投手が4回に、今大会初めて1イニングで2点を失い先に主導権を握られる展開となりました。
それでも“挑戦者の気持ち”を持っている選手たちは吉田監督から「5回で2点差以内なら最高」というプランを事前に聞いていて焦りはありませんでした。

山梨学院 最後まで“挑戦者の気持ち”で 高校野球【記者解説】
センバツ高校野球で頂点に立った山梨学院。
春夏通じて優勝経験のない山梨県勢として“挑戦者の気持ち”で戦ってきた山梨学院は、決勝も自分たちを見失わず力を発揮し、最高の結果をつかみました。
山梨学院の決勝の相手は兵庫の報徳学園。センバツで2回の優勝経験があり、この大会も延長戦を2度制し、準決勝では連覇を狙う大阪桐蔭に5点差を跳ね返して決勝に進んできたチームです。
吉田洸二監督が「世の中の9割の人、監督の私でも“報徳有利”と思っている」と明かすほどでした。


そして、5回の攻撃前には監督の長男でもある吉田健人部長から「焦らずに食らいついていこう」と促され心を整えると林投手からの5連続ヒット。

5番・佐仲大輝選手のツーランホームランなど打者10人、ヒット6本の猛攻で7点を奪い、一気に逆転しました。キャプテンの進藤天選手は5回の攻撃について「全員が食らいついていけました」と誇らしそうに話していました。

そして、援護をもらった林投手も「ランナーが出ても1人1人のバッターに集中して投げていこうと思っていました」と浮つくことはなく逆転したあとは、相手の反撃を1点に抑え、今大会4回目の完投を成し遂げました。
大会を通しても6試合で696球を投げる力投でエースとしての存在感を存分に示しました。
大会を通しても6試合で696球を投げる力投でエースとしての存在感を存分に示しました。

吉田監督は、「チャレンジする側は楽です。失うものがない強さが存分に出た試合でした」と決勝を振り返りました。
春の王者として紫紺の優勝旗を初めて山梨に持ち帰る山梨学院は今度は追われる立場として夏の甲子園を目指します。
春の王者として紫紺の優勝旗を初めて山梨に持ち帰る山梨学院は今度は追われる立場として夏の甲子園を目指します。


【NHK特設サイト】センバツ高校野球2023
