ロシア 米有力紙記者スパイ容疑で逮捕 米大統領は釈放求める

アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」のアメリカ国籍の記者が、ロシア国内でスパイ活動を行っていた疑いで逮捕されたことについて、バイデン大統領はロシア側に記者を釈放するよう求めました。

バイデン大統領は3月31日、逮捕されたエバン・ゲルシュコビッチ記者についてホワイトハウスで記者団に対し「釈放せよ」と述べました。

そのうえで、ロシアの外交官や記者を国外追放する考えがあるか聞かれると「今はその考えはない」と述べ、現時点で何らかの措置を取る考えはないと強調しました。

ホワイトハウスのジャンピエール報道官は記者団に、「大使館員による面会を実現させるよう国務省が取り組んでいる」と述べ、ロシア政府に働きかけていることを明らかにしました。

一方、ロシア外務省のザハロワ報道官は31日、「面会は規定に従って行われる」と述べたうえで、「記者証を利用して機密資料の入手を試みていた」などと述べ、改めて逮捕は正当だと主張しました。

また、おととしノーベル平和賞を受賞したロシアの新聞の編集長、ドミトリー・ムラートフ氏はモスクワで31日、ロイター通信に対し、「ゲルシュコビッチ記者とは知り合いでスパイではない。早いうちに釈放されることを願う」と強調しました。