ウクライナ大統領「ブチャでの出来事忘れることは許されない」

ロシア軍による侵攻で、多くの市民が犠牲になったウクライナの首都キーウ近郊のブチャが解放されてから3月31日で1年となったのにあわせて式典が開かれ、ゼレンスキー大統領は「ブチャでの出来事を忘れることは許されない」と述べ、勝利に向けた決意を改めて強調しました。

式典はゼレンスキー大統領のほか、スロバキア、スロベニア、クロアチア、それにモルドバの首脳らも出席して行われ、ウクライナの国旗が掲揚されたあと、ロシア軍の撃退に貢献した兵士などの表彰が行われました。

ブチャでは、一時占拠していたロシア軍が撤退したあと、400人以上の市民の遺体が確認され、ウクライナの検察や国際刑事裁判所がロシア軍による戦争犯罪の疑いがあるとして捜査を進めています。

演説したゼレンスキー大統領は「ブチャの通りで起きたことをみて、世界はロシアの悪事とロシアがウクライナで何をしようとしているのかを知った。忘れることは許されない」と誓ったうえで「ウクライナ国民は人間にとって価値のあるものすべてを破壊しようとするロシアを食い止めてきた。われわれはこの戦いに必ず勝つ」と強調しました。

このあと、4か国の首脳らとともにキーウで会見したゼレンスキー大統領は、ブチャでの出来事が世界の目をウクライナに向けさせ支援につながったとしたうえで「遠く離れた国を含めて、できるだけ多くの国から支援を得られるよう、われわれは最善を尽くす」と述べ、3月にロシアとの首脳会談を行った中国を一つの例としてあげ、協力を求めていく考えを示しました。