国連安保理 緊急会合 ロシア戦術核配備の方針めぐり非難の応酬

ロシアが、隣国ベラルーシに戦術核兵器を配備する方針を示したことを受けて、国連の安全保障理事会で緊急会合が開かれ、アメリカが核による脅しをやめるようロシアに求めたのに対し、ロシアはアメリカこそ同盟国に核兵器を配備していると反論し、非難の応酬となりました。

ロシアのプーチン大統領が先週、同盟関係にあるベラルーシに戦術核兵器を配備することで合意したと発表したのを受けて、安保理では3月31日、ウクライナの要請に基づき緊急会合が開かれました。

はじめに、国連で軍縮部門のトップを務める中満事務次長が「核兵器をめぐって、すべての国は事態の悪化や不測の事態につながるような行動をとってはならない。NPT=核拡散防止条約の締約国は核のリスクを減らし緊張緩和に取り組むべきだ」と訴えました。

このあとアメリカのウッド国連次席大使は「プーチン大統領は危険で不安定な行動をエスカレートさせ、国際法や国連憲章を無視していることを改めて世界に知らしめた」と非難し、核による脅しを直ちにやめるようロシアに求めました。

これに対してロシアのネベンジャ国連大使は「ロシアが旧ソビエトの国々から核兵器を撤去したのに、アメリカこそNATO=北大西洋条約機構の加盟国に核兵器を配備している」などと反論し、非難の応酬となりました。

さらに会合では、ウクライナ情勢をきっかけに、アメリカとロシアが核軍縮条約「新START」の履行をめぐり対立していることについて、核兵器を保有しないブラジルなどから双方を批判する声もあがりました。