こども家庭庁 きょう発足 子ども政策の司令塔に

子ども政策の司令塔となるこども家庭庁が、1日、発足します。少子化対策を含め、各府省庁で横断的に取り組むべき子ども政策を幅広く企画立案し主導していく役割を担うことになります。

子ども政策を社会の最重要課題に据えて取り組みを進めるため、去年6月に成立した法律に基づき、総理大臣直属の機関として、こども家庭庁が1日に発足します。

内閣府や厚生労働省から一部の部局が移管され、およそ400人の体制で、
▽児童手当の支給や
▽妊娠から出産・子育てまでの一貫した支援、
▽保育行政、
▽それに児童虐待、いじめ、貧困対策など、子どもに関わる業務を幅広く担当します。

そして、各府省庁で横断的に取り組むべき子ども政策を幅広く企画立案するとともに着実に実施されるよう総合調整に当たります。

また、各府省庁に改善を求める「勧告権」も持ち、政策の推進を主導する役割を担います。

一方、教育に関わる施策は引き続き所管する文部科学省と連携をとりながら進めることになっています。

こども家庭庁の当面の大きな課題は少子化対策で、3月31日にまとめられたたたき台をもとに、6月の「骨太の方針」の策定までに施策の具体化や予算規模、それに財源などの検討を加速させる方針です。

こども家庭庁は、週明けの3日に岸田総理大臣や小倉こども政策担当大臣らが出席して、発足式を行い業務をスタートさせることにしています。

小倉こども政策担当大臣 “今年度を「こどもまんなか元年に」”

こども家庭庁の発足に当たり、小倉こども政策担当大臣はNHKのインタビューに応じました。

2023年度を「こどもまんなか元年」と位置づけ、子どもの利益を最優先に政策を推進していく考えを強調しました。

インタビューで小倉大臣は、「従来より8年早いペースで少子化が進んでいる。他方で子どもを取り巻く状況を見ると児童虐待や不登校、いじめ、自殺、いずれも過去最悪の状況で、深刻さ、複雑さを増している。こうした中で子ども政策を束ね、司令塔機能を担わなければならない」と述べ、こども家庭庁の意義や役割を強調しました。

その上で「子どもの利益を第一に考えて政策を実践することで、日本全体が子どもや子育てに優しい社会になる『こどもまんなか元年』を、こども家庭庁主導のもとで実現できる年にしたい」と意気込みを示しました。

また「各省の施策でも、仮に子どもの利益にそぐわないことがあれば、ちゅうちょなく『勧告権』を行使し、是正していく覚悟も必要だ」と述べました。

さらに「子どもや若者およそ1万人から、対面型だけでなくSNSやオンラインを通じて意見を聴いていきたい。また、積極的に声を上げられない子どもや若者には、われわれから出向いて丁寧に声を拾っていきたい」と述べ、当事者の声を政策に反映させていく考えを示しました。

そして、3月31日にとりまとめた少子化対策のたたき台について「岸田総理大臣が『異次元の少子化対策』と言ったことで多くの国民の関心が集まった。だからこそ、これまでになかったような包括的で踏み込んだ提案ができた」と述べました。

そして、より詳細な内容や財源などを6月までに具体化するため、検討を加速させる方針を重ねて示しました。