東京 コロナ感染者 1月中旬以来増加に転じる 年度末など影響か

東京都内の新型コロナの新規感染者数がことし1月中旬以来、増加に転じ、専門家は「変異株への置き換わりや年度末で接触機会が増えていることなどの影響が考えられる」として今後に警戒感を示しています。

東京都は30日、都内の感染状況と医療提供体制を分析・評価するモニタリング会議を開き、4段階ある警戒レベルについて、いずれも下から2番目を維持しました。

会議の中では、新規感染者数の7日間平均が29日時点で812人と、前の週の142%となったことが報告されました。

7日間平均が前の週を上回るのは、ことし1月中旬以来となります。

一方、入院患者数は483人と前の週よりおよそ140人減りました。

また、ゲノム解析の最新結果では、アメリカで感染が広がるオミクロン株の「XBB.1.5」が増える傾向が続いていて、先月は全体の3.2%だったのが、今月はおよそ7倍の21.1%にまで増えました。
国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「感染者数が増加に転じたのは変異株への置き換わりや年度末で接触機会が増えていることなどの影響が考えられる」として、今後に警戒感を示すとともに感染対策の継続を呼びかけました。

都民調査 “後遺症疑う症状” 25.8%

モニタリング会議では東京感染症対策センターが、都民を対象に行った新型コロナについての調査結果も公表されました。

調査は先月と今月の2回に分けて行われ、先月は20代から70代までの1万429人を対象にインターネットで調査を行いました。

それによりますと、新型コロナで陽性となったと回答した2040人に対し、感染してから2か月以上の間、後遺症を疑う症状があったかどうか尋ねたところ、25.8%に当たる527人が「あった」と回答しました。

症状としては
▽「疲労感・倦怠感」が51.6%
▽「咳」が35.1%
▽「味覚障害」が16.9%などとなっていて、後遺症を疑う症状があったと回答した人のうち、85%が日常生活に支障があったということです。

また、今月は20代から70代までの35人を対象に、新型コロナについての聞き取り調査を行いました。

このうち、どのような状況になったら「収束した」と思えるかと尋ねたところ「インフルエンザと同じように捉えられるようになったら」や「病院で他の病気と同じように診てもらえるようになったら」、そして「報道されなくなったら」などの回答があったということです。

また、行政に取り組んでほしいことを尋ねたところ「感染者数の公表」や「受診できる病院の情報発信」「ワクチンや治療費用の支援」などの回答があったということです。