3月5日、「いのちの電話福岡」などが主催した、福岡市での自殺予防に関する講座。
大分県在住で、“車いすの詩人”と呼ばれる豆塚エリさん(30)が、講演しました。
豆塚エリさん
「本当に、自分の苦しみ、つらさ、頑張り、成果、比べる必要はありません。あなたのつらさは、私のつらさは、紛れもなく本物だからです」

「しにたい気持ち」消えるまで 呼びかけ続けたい
「本当に、自分の苦しみ、つらさ、頑張り、成果、比べる必要はありません」
16歳の時の自殺未遂の経験を告白し、どう立ち直ったのかをエッセイにつづった女性のことばです。
いま、このことばに救われたという声がSNS上で広がっています。
「苦しみ、つらさ、比べる必要はない」

自分を責め続けた結果 16歳で自殺未遂

小さいころから親の期待に応えなければと思っていた豆塚さん。
高校受験では、猛勉強の末、県内有数の進学校に入学します。
しかし、徐々に勉強についていけなくなり、心と体に不調をきたすようになりました。
「私はなんてばかなんだ」と、自分を責め続けた結果、朝起きられずに夕方まで体が動かないこともあったといいます。
無断欠席が続いたある日。
母親から学校に行かないことをとがめられた豆塚さんは、「もうどこにも居場所がない」と衝動的に自宅のベランダから飛び降りました。
何とか一命はとりとめたものの、頸椎を損傷し、医師からは「もう二度と歩くことはできない」と告げられました。
高校受験では、猛勉強の末、県内有数の進学校に入学します。
しかし、徐々に勉強についていけなくなり、心と体に不調をきたすようになりました。
「私はなんてばかなんだ」と、自分を責め続けた結果、朝起きられずに夕方まで体が動かないこともあったといいます。
無断欠席が続いたある日。
母親から学校に行かないことをとがめられた豆塚さんは、「もうどこにも居場所がない」と衝動的に自宅のベランダから飛び降りました。
何とか一命はとりとめたものの、頸椎を損傷し、医師からは「もう二度と歩くことはできない」と告げられました。
「多様な価値観 幸せのあり方」人それぞれと気づく

長い入院生活。
実は、この病院での経験が、豆塚さんの考え方を変える転機となりました。
学校では出会えなかった、さまざまな人たちとの出会いが、“しにたい”という思いを変えていったのです。
同室に入院する、認知症の女性がどれだけ迷惑をかけても、介護士たちから愛されている姿を見たことで、多様な価値観があり、幸せのあり方は人それぞれなのだと気づいたといいます。
実は、この病院での経験が、豆塚さんの考え方を変える転機となりました。
学校では出会えなかった、さまざまな人たちとの出会いが、“しにたい”という思いを変えていったのです。
同室に入院する、認知症の女性がどれだけ迷惑をかけても、介護士たちから愛されている姿を見たことで、多様な価値観があり、幸せのあり方は人それぞれなのだと気づいたといいます。
豆塚さんのことばに救われた人 「自分を肯定できた」

豆塚さんは、これまでの体験を「しにたい気持ちが消えるまで」というエッセイにまとめ、去年出版しました。
本を読み、豆塚さんのことばに救われたという、かなさん(仮名)です。
高校時代、一時期不登校になったことがあるかなさん、「苦しみを人と比べるのはやめよう」ということばが、胸に残ったといいます。
かなさん
「ふだんの生活で、息苦しいと思う瞬間があって、でも周りから「もっと大変な思いをしている人がいる」って言われると、私が間違っているのかな?と思ってしまって。だから豆塚さんのことばで、自分を肯定できました」
本を読み、豆塚さんのことばに救われたという、かなさん(仮名)です。
高校時代、一時期不登校になったことがあるかなさん、「苦しみを人と比べるのはやめよう」ということばが、胸に残ったといいます。
かなさん
「ふだんの生活で、息苦しいと思う瞬間があって、でも周りから「もっと大変な思いをしている人がいる」って言われると、私が間違っているのかな?と思ってしまって。だから豆塚さんのことばで、自分を肯定できました」
みずから命絶つ 児童・生徒は過去最多

自ら命を絶った、小中学生、高校生の数は、新型コロナの感染が拡大した2020年以降、特に増えていて、去年は514人と、統計がある昭和55年以降で最も多くなっています。
「人生終わりなんてない どうにか生き延びて欲しい」

しにたい気持ちを抱えている人たちへ、豆塚さんは次のように呼びかけます。
豆塚エリさん
「人生もう終わり、お先真っ暗だと思ったけど、全然終わりなんてないんです。真っ暗でも生きていかないといけないし、目が慣れると、案外真っ暗でもないなって。どうか希望をもって、せめて大人になるまで頑張らなくていいから、どうにか生き延びて欲しい。いまよりもぐっと、生きやすくなるから」
豆塚エリさん
「人生もう終わり、お先真っ暗だと思ったけど、全然終わりなんてないんです。真っ暗でも生きていかないといけないし、目が慣れると、案外真っ暗でもないなって。どうか希望をもって、せめて大人になるまで頑張らなくていいから、どうにか生き延びて欲しい。いまよりもぐっと、生きやすくなるから」

「しにたい気持ちが消えるまで」
豆塚さんのエッセイ「しにたい気持ちが消えるまで」では、周りの人たちとの何気ない会話の中から、自分自身の中に、あすに向けた前向きな気持ちが芽生えるようすを、次のようにつづっています。
またゆっくりお話しましょうね
いつ どこにあるのかもわからない
また が
わたしが明日も生きていることを
肯定してくれたのです
(エッセイ「しにたい気持ちが消えるまで」より)
またゆっくりお話しましょうね
いつ どこにあるのかもわからない
また が
わたしが明日も生きていることを
肯定してくれたのです
(エッセイ「しにたい気持ちが消えるまで」より)

厚生労働省では、電話やSNSなどの相談窓口を紹介しています。
▽NPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」が行う「#いのちSOS」
(0120-061-338)
▽一般社団法人「社会的包摂サポートセンター」が行う「よりそいホットライン」(0120-279-338)
※岩手・宮城・福島からは(0120-279-226)
▽一般社団法人「日本いのちの電話連盟」が行う「いのちの電話」
(0120-783-556)
▽都道府県が実施している電話相談などに接続される「こころの健康相談統一ダイヤル」
(0570-064-556)
このほか、以下の子ども向けの相談窓口も紹介しています。
▽NPO法人「チャイルドライン支援センター」が行う「チャイルドライン」
(0120-99-7777)
▽文部科学省が行う「24時間子供SOSダイヤル」
(0120-0-78310)
▽法務省が行う「子どもの人権110番」
(0120-007-110)
ホームページは「まもろうよこころ」でも検索できます。
厚生労働省「まもろうよこころ」
※NHKサイトを離れます
▽NPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」が行う「#いのちSOS」
(0120-061-338)
▽一般社団法人「社会的包摂サポートセンター」が行う「よりそいホットライン」(0120-279-338)
※岩手・宮城・福島からは(0120-279-226)
▽一般社団法人「日本いのちの電話連盟」が行う「いのちの電話」
(0120-783-556)
▽都道府県が実施している電話相談などに接続される「こころの健康相談統一ダイヤル」
(0570-064-556)
このほか、以下の子ども向けの相談窓口も紹介しています。
▽NPO法人「チャイルドライン支援センター」が行う「チャイルドライン」
(0120-99-7777)
▽文部科学省が行う「24時間子供SOSダイヤル」
(0120-0-78310)
▽法務省が行う「子どもの人権110番」
(0120-007-110)
ホームページは「まもろうよこころ」でも検索できます。
厚生労働省「まもろうよこころ」
※NHKサイトを離れます
まもろうよこころ
