みとゆなさん 「3つの壁しかうつさないように」

みとゆなさん 「3つの壁しかうつさないように」
春からスマホデビューをする学生の方、子どもがSNSを使うことに不安を感じている保護者の方もいるかもしれません。NHKのSNSトラブルを題材にした番組に出演したインフルエンサーのみとゆなさんに、10代の当事者としてSNSを使う上で気をつけていることを聞きました。
3月に高校を卒業したみとゆなさん。インターネット配信番組に出演し、中高生を中心に10代から人気を集めています。Instagramのフォロワー数は28.6万人、YouTube、TikTok、Twitterでインフルエンサーとしても活躍しています。

SNSでの発信 気をつけていることは

Q.画像をSNSに載せるときに気をつけていることはありますか?
私が芸能活動をしているというのもありますし、していなくてもだと思うのですが、「1回載せてしまったものはもう消えない」ということを意識しています。私が自撮りをしていて後ろにうつった人も、その人の顔がはっきりうつってしまったら個人に関する情報が分かってしまうって事になるので、そこはモザイクをかけたり、見えないようにしたりしています。

高校時代、実家では3つの壁しかうつさないようにしていました。自分の部屋で撮るか、この壁で撮る、みたいに決めていましたね。ルーティーン系の動画を撮るときは多少違う所も映っていますが、基本的に3つの壁しかうつってないですね。
Q.その3つの壁は、なぜ選んだのですか?
そこは窓があってもカーテンがしてある、そのカーテンが開いたとしても外の壁しか見えないんです。あとは、ただの白い壁というような形で、外の様子が見えないところを選んでいました。

やっぱり家が分かってしまったら、家の近くに住んでいる人だったら来てしまうとか、SNSに「みとゆながここに住んでるよ」って書かれて拡散されてしまうかもしれないとか。私のことを好きでいてくれる人は何もしないかもしれないですけど、私のことを嫌いな人も中にはいると思うので。
そこは自分のことを守る、家族を守ることでもあるかなと思っています。
Q.SNSによるトラブルを経験したことはありますか?
私自身はトラブルの経験はないのですが、SNSのアカウントを公開している友人が、ステータス(紹介文)に学校名を書いていて、同じ学校を卒業したという年上の異性からダイレクトメール(DM)がきて「LINE交換しよう」と言われたことがありました。私からは「その人とは会ったことがないんだよね」「誰かもよく分からないんだよね」と伝え、友人は「そうだよね」と話していました。
Q.自分でアカウントを持っていると、10代であっても、そういうダイレクトメールが来る危険性があるのでしょうか?
あると思います。アカウントを公開にすると全世界とつながるので、良い面で見たら、いろんな人とつながれるってなるかもしれません。でも、悪用しようとして使っている人も中にはいると思うので、そういう人とつながってしまったらやっぱり怖いなと思います。

友達とのやりとり 気をつけていることは

Q.LINEなどの通信アプリは友達とやりとりできて便利ですが、トラブルや困ったケースはありましたか? 
大人数のLINEグループには不安を感じたことがあります。
高校へ入学したときは、コロナ禍だったので、SNSでつながるしかなくて、入学式の前に新入生100人ぐらいのLINEグループができていたことがありました。

最初はインスタグラムのダイレクトメールで「同じ学校だね」みたいなやり取りをして、「この子も同じ学校だよ」「この子も同じ学校だよ」ってなって、そこからLINEグループができて。誰でも招待できるので、いろんな人が招待されて入っていました。

ただ、私はそこに入るのが怖かったんです。
Q.なぜ怖かったのですか。
知らないからです。誰かも分からないし、どこに住んでいるのかも分からない。ただこれから一緒に通っていく学校が一緒なだけ。でもそれが本当かもわからない。
私も誘ってもらいましたけど、ちょっと怖くて入れなかったです。

コロナ禍で友達を作りにくい中で、1つの友達の作り方として良いのかもしれないですが、ちょっと規模が大きすぎるように感じました。1人や2人との間で「友達いないから仲よくしてくれたらうれしい」なら、トラブルは起こらないかもしれないですけど、100人が入るグループになってしまうと、ちょっといろいろ信用できなくなっちゃうなと思います。
Q.LINEのような通信アプリで友達とやり取りするときに注意していることはありますか?
電話とかで直接話すと相手の声のトーンも分かりますが、LINEなどのやりとりでの文章は相手がどう受け取っているか分からないので、重要なことは、電話で話すか、直接会って話すようにしています。

いじめについても、1つの悪口を言っているグループがあって、そこに私が1つことばを挟んだだけで共犯になってしまう。それをスクリーンショットされて、回されてしまったら、もうそこで犯人になってしまう。言われている側が見たら、とてもつらいと思います。

自分はそんなつもりでメッセージを送っていなかったとしても、相手が傷ついたら、それは傷つけた人になってしまうので、本当に気をつけないといけないなと思います。

保護者とのルールは

Q.はじめてスマートフォンをもったのは? 
キッズ携帯をずっと持っていてメールで友達とやり取りすることはありましたが、スマートフォンを持ったのは小6の終わり、中学生になる時でした。
Q.親とルールみたいなものは決めていましたか? 
14歳で芸能活動を始める前は、「SNSを使うのはいいけれど、絶対に公開はしちゃだめ」「つながるのもいいけれど友達とだけに」って言われていました。

母は、SNSのトラブルをニュースで見て心配していて、動画や写真にうつった指紋だけでも悪用されることがあると教わりました。
「自分の身は自分で守らなきゃいけないからね」って、「お母さんもそんな全部は見られないからね」と言われて「分かった」とやりとりしたのを覚えています。
Q.親からそういうルールを伝えられた時の気持ちはどうでしたか? 
最初、言われた時は「みんなやっているから大丈夫」みたいな感じで思っていたのですが、やっぱりトラブルのニュースがあるのを見ると、親の言うことを聞いていてよかったなと思いますね、今になって。
Q.コロナ禍の高校生活では、SNSや通信アプリはどんな存在でしたか?
授業が通常より短かったり、登校時間がバラバラだったりしたので、コミュニケーションの1つになっていました。「何時に学校に着くよ」「この課題があるから、きょうやってきたほうがいいよ」などやりとりしていました。

私は学校生活と平行して芸能活動もしていたので、友達に教えてもらいながら学校生活を送っていました。仲の良い女の子4人組のグループLINEがあって、私が何か送ったら3人のうち誰かは返信してくれる。楽しい思い出がたくさんありますね。
Q.この春からスマートフォンを持つ学生はどういったことに気をつけたらいいと思いますか?
そうですね、やっぱりスマートフォンは便利ですが、SNSトラブルって小さいことが大きくなったりする。そして、1つ悪いことがあったりすると、周りの親とかも心配して「もう使わないで」とか「没収」っていう風になってくるので、トラブルに遭わないように、ひとつひとつ行動に気をつけてほしいです。

そして、親御さんもSNSを全部やめなさいって言うのではなくて、全部悪いものじゃないので、「一緒にやってみよう」「一緒にルールを決めよう」っていう風にやってくれたらうれしいなと思います。