プーチン大統領 “ベラルーシに戦術核兵器を配備で合意”

ロシアのプーチン大統領は、同盟関係にあるベラルーシに戦術核兵器を配備することで合意したと明らかにし、ウクライナへの軍事支援を強化する欧米諸国へのけん制を強めるねらいがあるとみられます。

プーチン大統領は25日に公開された国営メディアのインタビューの中で、同盟関係にあるベラルーシのルカシェンコ大統領から戦術核兵器の配備の要請を受けてきたとしたうえで、「アメリカは長年、NATO=北大西洋条約機構のヨーロッパの領土に戦術核兵器を配備してきた。ベラルーシとの間で同様の合意に達した。これは国際的な核不拡散条約に違反するものではない」と主張しました。

そして戦術核兵器は、すでにベラルーシへの配備を発表している短距離弾道ミサイル「イスカンデル」や、ベラルーシ空軍の航空機に装填(そうてん)される可能性があるとして、ことし7月1日までにベラルーシ国内に核兵器を保管する施設が建設される予定だとしています。
またイギリスがウクライナに対して戦車の装甲を貫通する能力が高い劣化ウラン弾を供与すると明らかにしたことについて「危険な兵器だ。もちろんロシアにはこれに対抗する手段がある」とけん制し、「今後ロシア軍の戦車の総数は、ウクライナ軍の3倍以上になる」と述べ、兵器を増産し対抗していく姿勢を強調しました。

ウクライナでは、東部の激戦地バフムトでロシア軍の攻撃の勢いが失速しているとの見方も出る一方、ウクライナ側は欧米から戦車や戦闘機の供与を受け大規模な反転攻勢に乗り出す構えです。

プーチン大統領としては、ベラルーシへの戦術核兵器の配備も明らかにすることで、ウクライナや欧米諸国へのけん制を強めるねらいがあるとみられます。