蔡総統が訪れたのは、台湾南部の嘉義市に駐屯する陸軍の工兵部隊です。
蔡総統は、敵の進軍を妨げたり遅らせたりするためコンクリート製や金属製の障害物を道路に配置する作業や、刃物を持つ相手を制圧する格闘術の訓練などを視察しました。
そして、蔡総統は「台湾と民主主義を守ることがわが軍の一貫した重大な使命だ。絶えず訓練に精進し、部隊の戦力を強化してこそ、ふるさとと国を守る能力を持つことができる」と訓示しました。
蔡総統は今月29日に外交関係のある中米2か国の歴訪に出発し、アメリカにも立ち寄ってマッカーシー下院議長と会談する予定です。
マッカーシー議長の前任のペロシ氏が議長に在任中だった去年8月に台湾を訪問した際には、中国が大規模な軍事演習を行っていて、今回の蔡総統のアメリカへの立ち寄りにあたっても中国軍の威嚇的な動きが懸念されています。
台湾の当局者によりますと、蔡総統の外国訪問の日程が発表された翌日に25日の視察の実施が決まったということで、中国軍の脅威に対する台湾防衛の備えは整っているとアピールするねらいもありそうです。
台湾 蔡英文総統 外国訪問前に軍を視察 防衛の備えアピールか
台湾の蔡英文総統が25日、軍の部隊を視察しました。
来週からのアメリカを経由地とする外国訪問にあたって中国軍の威嚇的な動きが懸念される中、台湾防衛の備えをアピールするねらいもありそうです。
