ドローンが荷物を配達 国内初「レベル4」飛行の結果は?
あなたの家の上空をドローンが飛び、空から荷物を受け取る日も遠くないかもしれません。
24日に国内で初めて行われたのは、操縦士が目視できない範囲でドローンを飛行させる「レベル4」という高度な飛行。
物流業界でのドローンの実用化に向けた最新情報をお伝えします。
【国内初 「レベル4」の試験飛行】
舞台は、東京・奥多摩町。

1キロの荷物を積んだドローンは奥多摩郵便局の屋上から勢いよく飛び立ち、20メートルの高さまで上昇。

住宅街にある郵便局から、2キロほど離れた山間部にある住宅まで荷物を届けます。

住宅街や山の上空を通り、あらかじめ設定されたルートをおよそ5分間飛行しました。

そして、住宅の庭先に無事に着陸。

機体から荷物を外して再び上空に舞い上がりました。

地上で待ち受けていた住民は無事に荷物を受け取りました。
レベル4の飛行は去年12月に法律が改正され、実現に向けて、機体の認証制度や操縦士の国家資格が設けられましたが、今回の飛行が国内で初めてだということです。
レベル4の飛行は去年12月に法律が改正され、実現に向けて、機体の認証制度や操縦士の国家資格が設けられましたが、今回の飛行が国内で初めてだということです。
【一方、地上では】
1通の封書を届けるために…
ドローンの実証実験を進める奥多摩郵便局では、過疎地を中心に配達コストがかさんでいます。

1通の封書を届けるために4キロ程の道のりをバイクで走り…

バイクでは入ることのできない山道を歩いて届けるというケースもあるということです。
手紙やはがきは宅配便などと比べて配送料が安く、利益を出すには一定の取扱量が必要ですが、奥多摩郵便局のように1通の封書に対して多くの労力がかかる場合もあります。
さらに、2021年度の郵便物は148億通と、メールやSNSなどが普及した影響で20年前より40%余り減少しています。
日本郵便がドローン配送の実用化を急ぐ背景には、こうした手紙やはがきなど郵便物の急速な減少があります。
手紙やはがきは宅配便などと比べて配送料が安く、利益を出すには一定の取扱量が必要ですが、奥多摩郵便局のように1通の封書に対して多くの労力がかかる場合もあります。
さらに、2021年度の郵便物は148億通と、メールやSNSなどが普及した影響で20年前より40%余り減少しています。
日本郵便がドローン配送の実用化を急ぐ背景には、こうした手紙やはがきなど郵便物の急速な減少があります。
配達員不足 募集の半数以下も…

さらに追い打ちをかけているのが配達員の不足で、都市部、地方を問わず、募集をかけても十分な人員を集められない状況が続いているということです。
5年前に公表された会社の資料を例に挙げると、岩手県の盛岡中央郵便局では配達を担う職員を20人募集したところ、応募者は半数以下の8人で、東京・銀座の郵便局でも16人の定員に対し応募者は11人でした。
このため、日本郵便は過疎地での配達に加えて郵便局どうしの輸送にもドローンを活用したい考えです。
5年前に公表された会社の資料を例に挙げると、岩手県の盛岡中央郵便局では配達を担う職員を20人募集したところ、応募者は半数以下の8人で、東京・銀座の郵便局でも16人の定員に対し応募者は11人でした。
このため、日本郵便は過疎地での配達に加えて郵便局どうしの輸送にもドローンを活用したい考えです。
住民の不安払拭もカギに

一方、「レベル4」では、ドローンが操縦士が目視できない範囲で人が行き交う場所や住宅の上空も飛行するため、本格的な実用化に向けては安全性の確保や住民の不安の払拭が欠かせません。
今回、導入された機体はコントロール不能に陥らないようGPSのアンテナを2つにしたほか、墜落しそうになった場合には、パラシュートが自動的に開く仕組みです。
今回、導入された機体はコントロール不能に陥らないようGPSのアンテナを2つにしたほか、墜落しそうになった場合には、パラシュートが自動的に開く仕組みです。

さらに会社では、ドローンが飛ぶ地域で繰り返し説明会を開き、安全対策を説明するなどして住民の理解を求めてきました。
説明会に参加した住民は「今の説明を聞いて特に不安はない」とか「人の手でなくては運べなかったものが、機械で空から運んでもらえるのは夢みたいです」などと話していました。
説明会に参加した住民は「今の説明を聞いて特に不安はない」とか「人の手でなくては運べなかったものが、機械で空から運んでもらえるのは夢みたいです」などと話していました。
本格的な導入に向けて
日本郵便は配達員の不足や配送コストの負担軽減に向けてドローンを活用したい考えで、試験的な飛行を重ねて安全性など技術的な検証を進め、本格的な導入を目指すことにしています。

「見たことがないものが空を飛ぶということで不信感や驚きもあると思うが、自治体や住民の理解をいただきながら広げていきたい」
人手不足が深刻化する物流業界では、佐川急便やネット通販の楽天グループも実用化に向けた実験を行っていて、ドローンの活用が広がりそうです。
人手不足が深刻化する物流業界では、佐川急便やネット通販の楽天グループも実用化に向けた実験を行っていて、ドローンの活用が広がりそうです。