ゼレンスキー大統領 激戦地バフムトを訪問 兵士を激励

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア側と激しい攻防が続く東部ドネツク州の拠点バフムトを訪問し、徹底抗戦する姿勢を強調しました。一方、ロシア側は、バフムトも含めて各地で仕掛けた春の大規模な攻撃にかげりがみられるという見方も出ています。

ウクライナの非常事態庁は22日、首都キーウ郊外の町で5階建ての建物などが無人機による攻撃を受けたと明らかにしました。

現地の警察によりますと、建物の中にいた少なくとも4人が死亡、4人が行方不明になっています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、岸田総理大臣と会談した翌日となる22日、ロシア側との激しい攻防が続く東部ドネツク州の拠点バフムトを訪れたと明らかにしました。

ゼレンスキー大統領は前線で戦う兵士たちに対し、「われわれの土地を守り、ウクライナに属するものすべてを奪還することがあなたがたの歴史的な使命だ」と激励し、徹底抗戦する姿勢を強調しました。

戦況を分析するイギリス国防省は22日、バフムトについて「ウクライナ軍は北と南から包囲される危険にさらされている」としました。

その一方で「ウクライナ軍は、西部では反撃を開始し、補給路に対する圧力が和らいでいる可能性が高い。また、一部のロシア軍の部隊が他の前線に再配備されたこともあり、ロシア側の攻撃が勢いを失っている可能性がある」と分析しています。

これに先立ち、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も「ロシア軍による春の大規模攻撃がピークに近づいている可能性がある」と指摘し、ロシア側がウクライナ各地で仕掛けた大規模な攻撃にかげりがみられるという見方を示しています。