中国とロシアの首脳会談始まる ウクライナ情勢への方針が焦点

ロシアの国営通信によりますと、中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領の首脳会談が日本時間の21日午後9時半ごろから首都モスクワのクレムリンで始まりました。
ウクライナ情勢をめぐって中国が対話と停戦を呼びかける文書を発表するなか、アメリカと対立する両国の首脳がどのような方針を打ち出すのかが焦点です。

歓迎式典のあとクレムリンで開かれた首脳会談には、両国の主要な閣僚も参加していて、エネルギーも含めた経済や、軍事技術の協力について協議しているとみられます。

これに先立ち、習主席はミシュスチン首相とも会談し「プーチン大統領に対し、ことし開かれる予定の一帯一路の会議に出席を要請した」と述べ、プーチン大統領を中国に招待したことを明らかにしました。

習主席とプーチン大統領の会談のあと、両首脳は共同文書に署名し、記者発表も行われる予定です。

中国の習近平国家主席は日本時間の20日夜、ロシアの首都モスクワに到着し、クレムリンでプーチン大統領と非公式の会談を行いました。

このなかで、プーチン大統領は「ウクライナの深刻な危機を解決するためのあなたがたの提案を、われわれは慎重に検討してきた」と述べ、中国が2月に発表した、対話と停戦を呼びかける文書を尊重しながら議論を交わすことに意欲を示しました。

また、習主席は、ロシアとの戦略的な協力を強化する考えを強調したうえで、ウクライナ情勢について「中国は政治的な解決を呼びかけ、冷戦思考や一方的な制裁に反対する。対立が激しくなればなるほど対話の努力を放棄することはできない」と述べました。
ロシアメディアによりますと、両首脳は1対1で夕食も共にし、4時間半にわたって意見を交わしたということです。

そして、習主席は日本時間の21日夜、クレムリンで双方の主要閣僚も交えて、プーチン大統領との首脳会談に臨みます。

ロシアの国営通信社によりますと、これに先立ち、習主席はミシュスチン首相と会談し「きのう(20日)プーチン大統領に対し、ことし、都合の良い時期に中国を訪問するように招待した」と述べ、プーチン大統領を中国に招待したことを明らかにしたということです。

習主席とプーチン大統領との会談では、エネルギーも含めた経済や、軍事技術の協力について協議する見通しで、会談後、両首脳は共同文書に署名し、記者発表も行われる予定です。

アメリカとの対立が強まるなか、ウクライナ情勢などをめぐって両国の首脳がどのような方針を打ち出すのかが焦点となっています。

NATO事務総長「ロシアと中国は連携強めている」

中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領の首脳会談について、NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は21日にベルギーで行った記者会見で「中国とロシアはますます連携を強めており、今回の会談もそれを示している」と述べ、警戒感を示しました。

また中国からロシアへの軍事支援の可能性について問われ「中国がロシアに兵器を供与しているという証拠はないが、ロシアが供与を要請し、中国当局が検討していることを示す兆候がある」と指摘しました。

そのうえで「中国はこうした支援をするべきではない。違法な戦争を支援することになる」と述べ、改めて中国側をけん制しました。

米駐日大使 中国とロシアは「非道な協力関係だ」

アメリカのエマニュエル駐日大使は21日自身のツイッターに投稿し、中国の習近平国家主席がロシアを訪問してプーチン大統領と会談したことについて「非道な協力関係だ」と厳しく批判しました。

そのうえで、習主席のロシア訪問は、ICC=国際刑事裁判所から戦争犯罪の疑いで逮捕状が出されたプーチン大統領を守り、国際世論から擁護するものだと指摘しました。