日印首脳会談 法の支配に基づく国際秩序堅持を確認 G7に招待も

G20の議長国、インドを訪れている岸田総理大臣は、モディ首相と会談し、法の支配に基づく国際秩序を堅持していくことを確認しました。
また岸田総理大臣は、モディ首相を5月のG7広島サミットに招待しました。

会談は、日本時間の午後3時前からおよそ50分間行われました。

この中で岸田総理大臣は、5月のG7広島サミットでは、ロシアや中国などの動向を念頭に、法の支配に基づく国際秩序の堅持と、「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国や途上国を含むパートナーとの関係強化という視点で、国際社会が直面する課題について取り上げる意向を伝えました。

そのうえで、両首脳は、法の支配に基づく国際秩序を堅持していくことを確認しました。

また両首脳は、開発金融や食料安全保障、それに気候・エネルギーなどの分野で、G7とG20の間で緊密に連携していくことで一致しました。

さらに岸田総理大臣は、モディ首相をG7広島サミットに招待し、モディ首相も出席する意向を示したほか、岸田総理大臣もことし9月のG20サミットに合わせてインドを再び訪問する方針を伝えました。

このほか両首脳は、安全保障分野やエネルギー、それにインフラ事業などで2国間協力をさらに深化させていくことも申し合わせました。
岸田総理大臣は、共同記者発表で「世界が歴史的な転換点を迎え、困難に直面する中、じっくりと意見交換したいとの思いで訪問した。5月にモディ首相を広島で迎えられることを楽しみにしている」と述べました。

モディ首相「2国間の連携強化の勢い維持に有益」

モディ首相は「きょうの訪問は2国間の連携強化の勢いを維持するのに有益だ。インドと日本のパートナーシップの強化はインド太平洋地域の平和と安定の強化にもつながる」と述べ、岸田総理大臣の訪問は共通の価値観を持つインドと日本の連携強化につながると評価しました。

そのうえで、「インドには『世界は一つの家族だ』と信じる文化がある。G20の議長国として、グローバル・サウスと呼ばれる新興国や途上国の国々にとって優先すべき課題が取り上げられるようにしていく」と述べ、グローバル・サウスの国々の訴えが国際社会の議論に反映されるよう取り組む考えを強調しました。

岸田首相「国際秩序の維持・強化に共通の責任有している」

岸田総理大臣は、訪問先のインドで記者団に対し「モディ首相との間でウクライナ情勢に関し、法の支配に基づく国際秩序を維持・強化していくことに共通の責任を有していると確認した。G7やG20の場でも、この考え方を明確にしていくことが重要だ」と述べました。

そして、いわゆる「グローバル・サウス」の国々への対応について「ウクライナ情勢を受けて、エネルギーや食料などの面で多大な影響を受けている。日本としては、こうした課題への積極的な貢献を示すことで、これらの国々への関与を強化していく」と述べました。

岸田首相 ガンジーがだびにふされた地で献花

岸田総理大臣は現地に到着後、日本時間の午後2時半ごろ、インド独立の父、マハトマ・ガンジーがだびにふされた地の「ラージ・ガート」を訪れました。

岸田総理大臣は、担当者からガンジーの功績などについて説明を受けたあと、記念碑に献花し、手を合わせていました。