【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(19日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる19日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

プーチン大統領 ウクライナ東部マリウポリに入る 侵攻後初か

ロシア大統領府は19日、プーチン大統領が去年9月に一方的に併合したウクライナ東部ドネツク州の要衝マリウポリを訪問したと発表しました。

大統領府のペスコフ報道官は、大統領は18日の夕方から19日にかけて現地を訪れたとしています。

去年2月にロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めて以降、ロシア側が掌握した地域をプーチン大統領が訪れたとされるのは、初めてです。

プーチン大統領がマリウポリを訪れた際に撮影されたとされる映像では、辺りが暗い中、大統領がみずから車を運転して市内を視察し、助手席に座る副首相から説明を受ける様子が見られます。
また、市内に新たに建設されたという集合住宅を訪れ、住民と立ち話をしたり住宅の中に案内されたりする姿も見られました。

プーチン大統領が一方的に併合した南部クリミアを18日に訪れたのに続いて、激しい戦闘の末に掌握したマリウポリを訪問した背景には、ウクライナ側が南部や東部で反転攻勢を目指す中、ロシア側による支配を誇示するねらいがあるものとみられます。

マリウポリ市の幹部の1人は19日、自身のSNSに投稿し、プーチン大統領の訪問とされる映像が夜間であることについて、「昼間であれば破壊された町並みがあらわになり、再建が進んでいるなどと言えないだろう」などと非難しました。

ウクライナ産農産物輸出の合意 延長発表も期間に食い違い

ウクライナ産の農産物の輸出再開をめぐるロシアとウクライナの間の合意について、仲介役を務める国連とトルコは、期限が切れる18日、「合意は延長された」と発表しました。

ただ、延長の期間については言及がなく、ロシア、ウクライナ、双方の主張が食い違っているため、懸念も残る形となりました。

延長の発表後、ロシア外務省のザハロワ報道官はSNSに「60日間の延長で合意し書面で通知した」と投稿し、延長期間はあくまでも60日間だとしました。

一方、ウクライナ政府で農産物輸出を担当しているクブラコフ復興担当副首相兼インフラ相は「合意は120日延長された」とツイッターに投稿し、双方の主張が食い違っています。

クリミア一方的併合から9年 ロシア各地でイベント

ウクライナ南部のクリミアを一方的に併合して18日で9年になるのにあわせて政権側が主催するイベントがロシア各地で行われ、ロシア極東の中心都市ウラジオストクでは、18日に州政府が主催するイベントで車のパレードや、コンサートなどが開かれました。

パレードでは、ロシアの国旗を掲げたりウクライナへの軍事侵攻を支持するシンボルとなっている「Z」マークのステッカーをつけたりした200台以上の車が参加しました。

ウクライナ側がクリミアの奪還を目指すとする中、プーチン政権としては各地でこのようなイベントを開くことで多くの国民がロシアによるクリミア支配を支持していると印象づけるねらいがあるとみられます。

プーチン大統領 クリミアを訪問

ロシアの国営メディアは18日、プーチン大統領が、クリミアの軍港都市セバストポリを訪問したと伝えました。プーチン大統領は文化施設などを視察し、施設をあとにする際に車の運転席に乗り込む様子も伝えられました。

地元のロシア側のトップは「事前にオンライン会議と言われ準備していたが、突然、大統領みずから来た」とSNSに投稿しました。

2014年にロシアがクリミアを一方的に併合してから18日でちょうど9年になるのにあわせて訪問した形で、ウクライナ侵攻後初めてとみられます。