高校野球 センバツ 沖縄尚学が大垣日大に勝利

センバツ高校野球、大会1日目の第3試合は沖縄尚学高校が岐阜の大垣日大高校に4対3で勝ち、2回戦に進みました。

沖縄尚学は3回、ツーアウト満塁で4番の仲田侑仁選手が大会第1号となるホームランを打ち、4点を先行しました。

エースの東恩納蒼投手は最速140キロを超えるストレートと持ち味の変化球で要所を締め、9回を投げてヒット7本を打たれましたが3失点とふんばりました。

沖縄尚学は4対3で大垣日大に勝ち、2回戦に進みました。

2年連続の出場となった大垣日大は先発の山田渓太投手が3回の満塁ホームランのほかは得点を与えず、打線も4回に1点、6回に2点を取って1点差に迫りましたが、あと1歩及ばず、振り切られました。

沖縄尚学 比嘉監督「応援の力はすごく大きい」

沖縄尚学高校の比嘉公也監督は3回に満塁ホームランを打った仲田侑仁選手について「打ってほしい場面で打ってくれて、4番らしい結果を出してくれたと思います」と評価しました。

新型コロナウイルスの感染対策が緩和されアルプススタンドで指笛が復活したことについては「応援の力というのはすごく大きいです。大変、感謝しています」と話しました。

2回戦に向けては「攻撃では、1球目からしっかり振っていくこと、守備では、守り負けないことを大切にしていきたいと思います」と話していました。

満塁ホームラン 沖縄尚学 仲田選手「まっすぐ来ると予想」

3回に満塁ホームランを打った沖縄尚学高校の仲田侑仁選手は「まっすぐが来ると予想していたので、とらえることができてよかったです」と話していました。

感染対策が緩和され、指笛が復活したアルプススタンドからの応援については「応援の力で打つことができたと思っています」と感謝していました。

2回戦に向けては「次に対戦するチームもいいピッチャーで、接戦になると思っています。きょうの感触を忘れずに臨んでいきたいです」と意気込んでいました。

大垣日大 山田投手「自分のベスト 出し切れた」

大垣日大高校の山田渓太投手は「ストレートの調子があまりよくなかった中、変化球でかわすこともでき、自分のベストを出し切れたと思います。満塁ホームランを打たれたボールは甘く入ってしまって1球の重みを感じました。阪口監督の40勝へ、あしたからチーム全体一丸となって夏に向けて練習します」と話しました。

大垣日大 阪口監督「もう一度夏に戻ってきたい」

大垣日大高校の阪口慶三監督は「うちもバットのスイングスピードには自信があったが、沖縄尚学のスイングやパンチ力がうわてだった。もう1度夏に戻ってきたい」と話しました。

沖縄尚学 東恩納投手 信じたストレートで終盤封じる

沖縄尚学高校の東恩納蒼投手はみずからの信じたストレートで相手の終盤の反撃を封じ、チームの2回戦進出につなげました。

東恩納投手は3回に4点の援護を受けながら、4回に1点、6回に2点を奪われ、1点差に迫られました。本来、変化球が持ち味という東恩納投手は、ここからが勝負とみて、ストレート中心のピッチングを貫きました。その背景には、冬の間、積んできたトレーニングがありました。

東恩納投手は、プロ野球でも導入されているボールが回転する数や軸を測定する機器を活用し、ストレートの質を磨きました。さらに、助走をつけたキャッチボールや遠投を重ね、ボールが指にかかるという感覚を体にしみこませていったといいます。こうした練習の成果が出て、東恩納投手は7回以降は、危なげない内容で投げ抜きました。

比嘉公也監督は「ボールがうわずっていた。追い込んでからの変化球もちょっと中途半端だった」と小言をこぼしながらも、「9回まで投げ抜いたことはすごく評価できる」とたたえました。

試合後、東恩納投手は「ストレートの質が上がりました。自信を持って投げることができました」と振り返りました。2回戦に向けては「甲子園に慣れていなくて思うように投げることができませんでした。次はしっかり修正して自分のフォームで投げたい」と話しました。

沖縄尚学は去年秋の公式戦のチーム打率が出場校中トップの4割7厘で強力打線が注目されがちです。この試合でも、4番・仲田侑仁選手が大会第1号となる、満塁ホームランを打ち、力の一端をのぞかせました。2008年以来のセンバツ優勝へ向けては、初戦で確かな手応えをつかんだエースが今後、どんなピッチングを見せるかがカギなのは間違いありません。