高校野球 センバツ 高知が北陸に勝利

センバツ高校野球、大会1日目の第2試合は高知高校が福井の北陸高校に4対1で勝ち、2回戦に進みました。

高知は1点を追う2回、ヒットとフォアボールでツーアウト一塁二塁のチャンスを作り、8番の辻井翔大投手が高めの変化球を捉えてレフトオーバーの2点タイムリースリーベースヒットを打って2対1と逆転しました。

その後も6回にツーアウト二塁の場面で、6番の門野結大選手がタイムリーツーベースヒットを打って1点を追加し、8回にもヒット2本で1点を奪いました。

投げては辻井投手が思い切りのいいストレートとキレのある変化球で打たせて取るピッチングで、8回途中まで1失点に抑え、高知が4対1で勝ち2回戦に進みました。

一方、今大会、最も久しぶりとなる34年ぶり出場の北陸は終盤の8回と9回に得点圏にランナーを進めましたが、後続が倒れて無得点に終わり反撃できませんでした。

高知 濱口監督「よく守り抜いた」

高知の濱口佳久監督は「守備でしっかり守って粘りの野球をすることがことしのチームの信条なので、よく守り抜いたと思います」と勝因を話しました。

また8回途中1失点と好投した辻井翔大投手について「スタミナ、ボールのキレなどいろんなものが冬から成長していて、いい投げっぷりで投げてくれたと思う」と評価しました。

そのうえで次の試合に向けて「2つ勝つことが1つの目標なので、高知高校らしい攻撃や守り、いろんなことをして、次も勝ちたいと思います」と話していました。

高知 辻井投手「2回以降は修正」

公式戦初先発で8回途中1失点と好投した高知の辻井翔大投手は「甲子園の舞台を楽しもうという気持ちでマウンドに上がりました。1回は少し緊張して失点してしまいましたが、2回以降は修正して自分のピッチングができたのでよかったです」と振り返りました。

また2回に打った逆転のタイムリースリーベースについて「自分がとられた失点なので自分で打って返そうという気持ちで打席に入りました。逆転してからは気持ちに余裕が出て自分のピッチングをすることができました」と話していました。

大阪の履正社高校との2回戦に向けては「相手は打撃陣も投手もすばらしくバランスのとれたよいチームなので強気なピッチングで押していきたい」と意気込みを話していました。

北陸 林監督「思い通りに行かない試合だった」

敗れた北陸高校の林孝臣監督は「さすが甲子園というか、なかなか思い通りに行かない試合でした。あと一本というところで得点ができない課題を克服するために、夏に向けてまた1からバッティングの質の向上に取り組んでいきたいです」と話していました。

北陸 友廣投手「緊張して体動かず」

北陸高校で先発したエースの友廣陸投手は「初めての甲子園でその雰囲気に緊張してあまり体が動きませんでした」と試合を振り返りました。

2回に逆転打を打たれた場面については「スライダーが真ん中付近にいって、甘いボールになってしまいました。夏の甲子園に出られるよう、毎日の練習を積み重ねたいです」と話していました。

高知 公式戦初先発 辻井が躍動

高知高校は、公式戦初先発を任された2年生の辻井翔大投手の活躍で初戦を突破しました。

高知は、去年秋の四国大会、4人の投手リレーで勝ち進み、ベストフォーの成績を残したチームです。当時1年生だった辻井投手は、5試合に登板して11回を投げ、防御率1.64をマークしました。しかし、すべてリリーフでの起用でした。

そんな中、濱口佳久監督は「四国大会で一番経験を積んだ。冬場の成長を見て今月の頭くらいにはどんな相手だろうが辻井投手でゲームを作っていこうというのはある程度は決めていた」と重要なセンバツの初戦で先発に抜擢したのです。

その辻井投手は、1回こそ、「少し緊張してバタバタしてしまった」と先制点を奪われましたが、2回にみずから逆転の2点タイムリースリーベースヒットを打つと気持ちに余裕が出てピッチングにも勢いが出ました。

そこから冬に取り組んできて今は一番自信があるというカットボールのコントロールが戻り、「しっかり指にかけながら自分の良い感覚のまま投げられていた」とテンポ良く打たせて取るピッチングで8回途中まで108球、1失点の力投を見せました。

試合後、濱口監督は辻井投手について「やっぱり度胸というか気持ちをすごく持っている。打たれてもそんなに引きづらないし、チームのために投げてくれるピッチャーで練習から自分で修正能力を磨いてきた成果だと思う」とたたえました。

大舞台で大きな収穫を得た高知。

次は、本来の細かい投手リレーを見せるのか、それとも辻井投手に続き成長する投手が出てくるのか、濱口監督は「ピッチャーが一番いいピッチングができる状況の中で、適材適所の中で継投していきたい」と話しています。