地下鉄サリン事件から28年 遺族が被害の回復などを国に要望

14人が死亡、およそ6300人が被害に遭ったオウム真理教による「地下鉄サリン事件」から20日で28年になるのを前に、遺族が国に要望書を提出し、被害の回復や弁償に向けた取り組みをさらに進めることなどを求めました。

通勤客などが無差別にねらわれたオウム真理教による地下鉄サリン事件では、都内を走る3つの路線で猛毒のサリンがまかれ、14人が死亡、およそ6300人が被害に遭いました。

20日で事件から28年になるのを前に、遺族や弁護士が法務省などを訪れ、齋藤法務大臣と公安調査庁の浦田長官に要望書を提出しました。

要望書では、教団の後継団体の資産状況を監視し、賠償金を確実に支払わせるなど被害の回復や弁償に向けた取り組みをさらに進めることや、国民が安心して生活を送れるよう、オウム真理教から名前を変えた教団「アレフ」に対する再発防止処分を厳正に実施し、実態を明らかにすることなどを求めています。

「アレフ」については、今月13日に公安審査委員会が再発防止処分を初めて適用することを決め、半数以上の教団施設の使用や寄付を受けることを6か月間禁止するとしています。

「地下鉄サリン事件被害者の会」の代表世話人で、事件で夫を亡くした高橋シズヱさんは、「『アレフ』は10億円余りの賠償命令が確定しているにもかかわらず、支払いに応じていない。資産隠しがされているおそれもあり、一刻も早く賠償してほしい」と話していました。