この打席でイタリアは大谷選手を警戒し、ショートがセカンドベースの右側、サードがショートの守備位置付近を守る、全体的に右方向に偏った守備シフトを敷きました。
ノーアウト一塁二塁のチャンスでしたが、大谷選手はセンター前に抜けるかというライナー性の打球を打ったものの、守備位置を変えていたショートの好プレーに阻まれました。
イタリアを率いるマイク・ピアッツァ監督は会見で「すばらしい打球だったがわれわれの狙い通りの結果になった」とデータに基づいた大谷選手への対策がはまった結果だったと話しています。

WBC 大谷翔平 “勝利に優先するプライドなし” 【記者解説】
「優勝候補」
「負けたら終わり」
「圧倒的なホームの応援」
幾重にも重なる強烈なプレッシャーがかかる中、野球のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックの準々決勝で、日本が勝利をたぐり寄せる流れを作ったのは、勝利を最優先するために大谷翔平選手が選択したワンプレーでした。
(スポーツニュース部 記者 金沢隆大)
そのプレーが生まれる布石は1回、大谷選手の第1打席から振り返る必要があります。


傾向を分析され対策を練られることは大谷選手にとっては当然のことで、相手の作戦を逆手にとる冷静な判断が、このあと試合を動かすきっかけになります。
それが、0対0の3回、1アウト一塁の場面で回ってきた第2打席でした。第1打席同様、イタリアは大谷選手対策として右方向に偏った守備シフトを敷きました。
ここで大谷選手は「無理に引っ張った打球が正面にいってダブルプレーが最悪」と考えました。
それが、0対0の3回、1アウト一塁の場面で回ってきた第2打席でした。第1打席同様、イタリアは大谷選手対策として右方向に偏った守備シフトを敷きました。
ここで大谷選手は「無理に引っ張った打球が正面にいってダブルプレーが最悪」と考えました。

選択したのは、がら空きとなった三塁側へのセーフティーバントでした。
意表を突かれた相手ピッチャーは、なんとかボールに追いついたものの、一塁への送球が大きくそれて、日本は一塁三塁とチャンスを広げました。そして続く、4番の吉田正尚選手の内野ゴロの間に1点を先制します。
意表を突かれた相手ピッチャーは、なんとかボールに追いついたものの、一塁への送球が大きくそれて、日本は一塁三塁とチャンスを広げました。そして続く、4番の吉田正尚選手の内野ゴロの間に1点を先制します。

この一連のプレーが日本に流れを引き寄せ、6番の岡本和真選手のスリーランへとつながり、この回一挙4点を奪いました。

大谷選手は大量点につながったセーフティーバントについて「極端な守備シフトだったのでリスクを回避しながらハイリターンを望める選択をして結果的にビッグイニングを作れたのでよかった」と振り返りました。
ピアッツァ監督も「バントは驚きだった。我々の守備をすぐに理解したし本当に彼をアウトにするのは難しい」とたたえました。
ピアッツァ監督も「バントは驚きだった。我々の守備をすぐに理解したし本当に彼をアウトにするのは難しい」とたたえました。

試合後の記者会見で「日本の勝利より優先する自分のプライドはなかった」と言い切った大谷選手。
チームが目指す世界一という称号を手にするために必要な勝利は、あと「2つ」です。
チームが目指す世界一という称号を手にするために必要な勝利は、あと「2つ」です。

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