16日に議会上院の金融委員会で証言したアメリカ財務省のイエレン長官は「高水準のインフレは最も優先すべき経済課題でありFRB=連邦準備制度理事会が対処することが極めて重要だ」と述べ、引き続き利上げなどの金融引き締めが必要になるという考えを示唆しました。
また、イエレン長官は委員から「銀行の破綻は経済がいかに脆弱かを浮き彫りにしたが、いまも利上げは社会にとってプラスと考えているか」と問われたのに対し、「インフレは私たち全員が直面し対応しなければならない最も優先すべき経済課題で、FRBが対処することが極めて重要だ」と述べました。
そのうえでバイデン大統領はインフレ抑制に向けてできる限りの取り組みを進めておりFRBも同様にその役割を果たすことが重要だとして引き続き利上げなどの金融引き締めが必要になるという考えを示唆しました。
FRBは来週開く金融政策を決める会合で、インフレを抑え込むため0.25%の利上げを決めるか、アメリカで相次いだ銀行の破綻を受けて金融システムへの影響を考慮し利上げを止めるか、難しい判断が迫られています。

米財務長官「銀行システムは今も健全だ」米議会上院で証言
アメリカ財務省のイエレン長官は16日、議会上院で証言し、アメリカで相次いで破綻した2つの銀行について、すべての預金者を守ったと説明した上で、「銀行システムは今も健全だ」と強調しました。
アメリカ財務省のイエレン長官は16日、議会上院の金融委員会で証言を行いました。
この中でイエレン長官はアメリカで相次いだ2つの銀行の破綻を受けて預金を全額保護する異例の措置をとったことに触れ「破綻した銀行のすべての預金者を守った」と説明しました。
一方、「株主などは保護されない」と述べて銀行の救済策にはあたらないという認識を示した上で、この措置は金融機関が拠出する基金を活用するため税金は使われないと国民への理解を求めました。
また、FRB=連邦準備制度理事会が銀行に資金を供給する新たな枠組みを導入し資金繰り支援を行っているとして「アメリカの銀行システムは今も健全だ。預金者は必要なときにいつでも預金を引き出すことができる」と強調しました。
さらに、預金を全額保護する措置の基準について問われたのに対し、イエレン長官は預金者を守らなければ金融システムのリスクや経済・財政上の重大な事態をもたらすと判断された場合にのみ決定するという考えを示しました。