ロシア軍 ウクライナ東部ドネツク州拠点掌握ねらうも進軍鈍化

ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州の拠点の掌握をねらって攻撃を繰り返していますが、ウクライナ軍が徹底抗戦する中、ロシア側の進軍の動きが鈍っているという見方が出ています。

ウクライナ側の拠点の一つドネツク州のバフムトをめぐっては、ロシアの民間軍事会社ワグネルの部隊などとウクライナ軍との激戦が続いています。

ウクライナ軍が防衛線を築いて徹底抗戦するなか、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は15日、ロシア側は兵員や砲弾の損失によって、バフムトを包囲したり中心部を掌握したりすることが難しくなっていると分析しました。

そして、東部の戦線でロシア軍の攻撃回数が今週に入って大幅に減っているとするウクライナ側の発表を引用しながら「ロシア側の進軍のペースは前の週と比べて落ちているようだ」として、進軍の動きが鈍っているという見方を示しました。

また、イギリス国防省は16日、ドネツク州の別の激戦地ブフレダルについて、ロシア軍が過去3か月にわたって攻撃を仕掛けながらウクライナ軍の抗戦で失敗を繰り返し、先週の攻撃回数が明らかに減っていると指摘しました。

こうした中、ロシア大統領府のペスコフ報道官は16日、記者団に対してプーチン政権がウクライナ南部クリミアを併合して18日で9年となることに触れ「17日と18日に関連の会議をオンラインで開く」と述べました。

去年の同じ日には、プーチン大統領がイベント会場で演説し、ウクライナへの軍事侵攻の正当性を国民に訴えましたが、ロシアの有力紙ベドモスチは16日、同じような大規模なイベントは行われない見通しだとした上で「動員などもある中、当時の喜びに浸るのは適切ではない」という専門家の見解を伝えています。