コロナ新規感染者数 1週間平均 前週比0.85倍 8週連続減少傾向

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国では前の週の0.85倍と8週連続で減少傾向が続いていますが、沖縄など前の週より増えた地域もあり、下げ止まりの傾向が見られ始めています。

NHKは、厚生労働省が発表した感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

▽先月23日までの1週間では前の週の0.68倍、
▽今月2日は0.72倍、
▽今月9日まででは0.85倍と8週連続で減少傾向が続いています。

一日当たりの全国の平均の新規感染者数は、先週より1600人余り少ない9600人余りとなっています。

39の都道府県で前の週より少なくなっていますが、山形県や鳥取県、それに沖縄県など8つの県では前の週よりも多くなっています。

また、ほとんどの地域で減少のペースが前の週よりも緩やかになっています。

人口当たりの感染者数最多は鳥取県

人口当たりの感染者数が最も多いのは鳥取県で、人口10万当たり136.43人となっています。

新規感染者数を1週間平均で比較すると、
▽先月23日までの1週間は前の週の0.78倍、
▽今月2日は0.71倍、
▽今月9日まででは1.12倍と増加に転じていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ108人となっています。

1都3県

【東京都】
▽先月23日までの1週間は前の週の0.71倍、
▽今月2日は0.78倍、
▽今月9日まででは0.89倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ754人となっています。

【神奈川県】
▽先月23日までの1週間は前の週の0.66倍、
▽今月2日は0.70倍、
▽今月9日まででは0.83倍で
一日当たりの新規感染者数はおよそ455人となっています。

【埼玉県】
▽先月23日までの1週間は前の週の0.68倍、
▽今月2日は0.75倍、
▽今月9日まででは0.91倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ427人となっています。

【千葉県】
▽先月23日までの1週間は前の週の0.61倍、
▽今月2日は0.72倍、
▽今月9日まででは0.89倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ334人となっています。

関西

【大阪府】
▽先月23日までの1週間は前の週の0.66倍、
▽今月2日は0.68倍、
▽今月9日まででは0.79倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ543人となっています。

【京都府】
▽先月23日までの1週間は前の週の0.66倍、
▽今月2日は0.74倍、
▽今月9日まででは0.76倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ152人となっています。

【兵庫県】
▽先月23日までの1週間は前の週の0.67倍、
▽今月2日は0.66倍、
▽今月9日まででは0.75倍で、
一日当たりの新規感染者数は362人となっています。

東海

【愛知県】
▽先月23日までの1週間は前の週の0.60倍、
▽今月2日は0.75倍、
▽今月9日まででは0.81倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ523人となっています。

【岐阜県】
▽先月23日までの1週間は前の週の0.67倍、
▽今月2日は0.77倍、
▽今月9日まででは0.79倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ229人となっています。

【三重県】
▽先月23日までの1週間は前の週の0.71倍、
▽今月2日は0.57倍、
▽今月9日まででは0.93倍で、
一日当たりの新規感染者数は197人となっています。

その他の地域

【北海道】
▽先月23日までの1週間は前の週の0.80倍、
▽今月2日は0.77倍、
▽今月9日までは0.80倍で、
一日当たりの新規感染者数は370人となっています。

【宮城県】
▽先月23日までの1週間は前の週の0.84倍、
▽今月2日は0.70倍、
▽今月9日まででは0.84倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ237人となっています。

【広島県】
▽先月23日までの1週間は前の週の0.70倍、
▽今月2日は0.74倍、
▽今月9日まででは0.80倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ289人となっています。

【福岡県】
▽先月23日までの1週間は前の週の0.69倍、
▽今月2日は0.62倍、
▽今月9日まででは0.92倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ404人となっています。

【沖縄県】
▽先月23日までの1週間は前の週の0.68倍、
▽今月2日は0.71倍、
▽今月9日まででは1.26倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ83人となっています。

東邦大 舘田教授“感染者数下げ止まり 対策取り少しずつ緩和を”

新型コロナウイルス対策にあたる政府分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「感染者数の下げ止まりを示す様子が見られ始めている。増加に転じたとしても今は感染者の数がかなり少なくなっているので、直ちには急増しないと考えられるが、年度末で人の動きが激しくなることや、オミクロン株の『XBB』系統の変異ウイルスへの置き換わりが進むこと、そして感染対策が急に緩むことが重なれば、感染者が増加するリスクがあることを認識しなければならない。基本的な対策を取りながら少しずつ緩和していくことが大事だ」と話しています。

また、来週13日からマスクの着用が個人の判断となることについて、「今、感染者の減少が続き、ワクチンや治療薬、検査を受けることができ、死亡率も抑えられてきた中で、マスクを外した日常生活を取り戻すことを探る時期にさしかかっている。ウイルスは今も私たちの周りに存在し、感染拡大を防ぐためにはこれからもマスクの着用は非常に肯定的な対策の1つで、いかに効率よく扱うかが大事になる」と述べました。

そして、具体的には、満員電車のように、隣に重症化リスクが高い人がいるかもしれない不特定多数の人で密になる場面、医療機関の患者や高齢者施設の入居者、在宅ケアを受けている人と接するような場面では、引き続きマスクの着用が重要だとしています。

そのうえで舘田教授は「日常生活で常にマスクを着けている人は、健康なように見えても基礎疾患を持っていたり、高齢者と同居していたりするかもしれないので、エチケットとしてマスクを着けることが大切だ。また、少しでも感染の不安があると感じる場合はマスクを着けたほうがよいが、マスクを着ける着けないによって差別や誹謗中傷などが起きないよう、周りの人が思いやりをもつことが大切だ」と指摘しました。